不動産ニュース / その他

2012/4/24

旧々耐震基準マンション、耐震診断の実施率は13.5%/高層住宅管理業協会

「区分所有者がより快適な暮らしができるよう、研究結果を役立てていきたい」と話す黒住理事長
「区分所有者がより快適な暮らしができるよう、研究結果を役立てていきたい」と話す黒住理事長

 (社)高層住宅管理業協会は20日、同日開催の理事会で「旧々耐震基準マンション管理物件調査結果」を発表した。調査対象会員社は401社、回答数は312社(回収率77.8%)。回答した会員社が管理する、1971年4月以前に建てられた旧々耐震基準マンションの管理組合数は823組。

 2012年3月31日現在までに耐震診断を行なったことのある管理組合は111(予備・簡易:56、精密:47、両方:8)組で、実施率は13.5%にとどまった。耐震改修実施済みの組は38で、実施率は4.6%。東日本大震災以降、全国で23組、首都圏で20組が耐震診断を実施したことが分かった。

 また、層崩壊(圧壊)等の大被害が生じるといわれているピロティを有する管理組合は244組(29.6%)、そのうち耐震改修を実施した管理組合は28組(11.5%)。耐震診断・改修を実施する際に必要な図面の保管状況は、意匠図556組(67.6%)、構造図431組(52.4%)で、構造図の保管は約半数にとどまった。

 また同協会は、住生活における管理会社の役割や意義、有用性を明確化し、住生活総合サービスの浸透を図る目的で行なった「住生活総合サービスの理論的明確化」に関する研究成果を発表した。研究期間は11年4月~12年3月、首都圏・関西圏から任意抽出した288マンションが対象で、11年9月に実施したもの。
 同レポートでは、宅配ボックスやゲストルーム、ロビー等の共用施設がスタンダードかつトレンド化しつつある点に注目。住生活総合サービスを展開する上で、「専有部サービス」の充実に加え、共用施設におけるサービスの充実も重要課題であると論じた。

 理事会後会見した同協会理事長の黒住昌昭氏は、「新中期事業計画の柱である『住生活総合サービスのさらなる浸透』を目指すため、今後もさまざまな研究に取り組んでいく。区分所有者がより快適な暮らしができるよう、研究結果を役立てていきたい」などと語った。

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