(株)東京カンテイは8日、「東日本大震災 宮城県マンション被害状況報告」を発表した。
宮城県内の分譲マンション全1,460棟の被災度をまとめたもので、「被害なし」は50.5%と、約半数のマンションに被害が認められず、被災したマンションは相対的に少なかったことが分かった。
新耐震・旧耐震の比較では、「小破」は新耐震が10.9%、旧耐震が17.6%、「中破」は新耐震が1.0%、旧耐震が1.3%で、ともに旧耐震の被災割合が高かった。「大破」は旧耐震物件の1棟のみ。直下型地震であった阪神・淡路大震災の調査では、旧耐震の3.4%が「大破」判定されており、東日本大震災では、被害を受けたマンションはわずかな棟数に留まっていることが明らかになった。
一方、震度6弱を記録した青葉区、若林区、泉区では、被災状況に違いがあり、青葉区と若林区は「被害なし」がともに50%を超えているのに対し、泉区では35.3% と低く、「小破」20.9 % 、「中破」3.6%と他の2区と比べて高くなった。また、泉区では旧耐震(3 棟のみ)には被害が出ておらず、新耐震で「小破」21.3%、「中破」3.7%と、他地域と比べて被災度が高かった。同区は河川や湖沼が点在しており、建物の耐震基準の違いよりも、地盤の固さや土地の形状の違いが被災度に影響しているものと分析している。
太白区は震度5強だったが、被災状況は、震度6弱の若林区よりも悪く、「被害なし」は43.5%に留まった。泉区と同様に、地盤や土地の形状の影響を考慮する必要があるとしている。
調査詳細は、同社ホームページ参照。