三菱地所(株)は17日、日本土地建物(株)、大和ハウス工業(株)や平和不動産(株)と共同で開発してきた複合オフィスビル「新宿イーストサイドスクエア」を竣工。報道陣に公開した。
都営地下鉄大江戸線・東京メトロ副都心線「東新宿」駅に直結する約3.7haの敷地に、大規模タワー型賃貸マンション「パークハビオ新宿イーストサイドタワー」とオフィスビルを建設するプロジェクト「新宿イーストサイド」の一環として建設されたもの。建物は、鉄骨造(一部鉄骨鉄筋造)の地上20階地下2階塔屋2階建て。地下1~1階一部が店舗、1~20階は事務所となる。
外観は、ガラスを基調としながらもフラットな面ではなく、表面に凹凸を持たせた特徴的なデザインとした。延床面積は約17万平方メートル、事務所貸室面積は約11万2,000平方メートル。基準階有効面積が約1,800坪。
敷地は、有効空地率約50%、緑率約40%とし、さらに曲線的な階段や遊歩道を設置することによって、平面的・立体的に回遊性の高いランドスケープを実現。環境への配慮として、事務所用途部分において東京都の定める建築物環境計画書制度における工事完了時の建物外装の熱負荷の低減(PAL)段階3、設備システムのエネルギー利用の低減率(ERR)段階3を申請。東京都の一般的な大規模オフィスビルに比べてCO2排出量を25%削減できる環境性能を有している。
東西南面には、二重にした窓面の中間空気層に外気を通気し徐熱を行なう「ダブルスキン」やガラスとブラインドの間に空気を流すことで外部熱を遮断する「エアバリアファン」を採用。そのほか、電動ブラインドにより室内の空調負荷を軽減するほか、熱負荷を低減するLow-Eペアガラスや明るさセンサーを採用することで環境性能を高めている。
防災面では、鉄骨断面の中にコンクリートを充填した「CFT柱」を採用し、コアフレーム内に「粘性壁」と「アンボンドブレース」を配置した制振構造とすることで、高い耐震性の確保。72時間運転可能な非常用発電機を設置したほか、地域貢献として、防災倉庫やマンホールトイレの整備も行なっている。
説明会において、三菱地所都市開発事業部担当部長の大野郁夫氏は、「パークハビオ新宿イーストとあわせ、東新宿のランドマークとしていきたい。広大な外構空間の約40%を緑化しており、訪れる人々に快適で和やかな時間を過ごしてほしい」等と話した。
オフィスエリアについては、3割が内定済みで、入居開始は8月下旬、商業ゾーンの開業とあわせたグランドオープンは9月を予定。