(公財)日本賃貸住宅管理協会は8日、2011年下期(11年10月~12年3月)の賃貸住宅景況感調査「日管協短観」を発表した。入居率や来客数、成約件数、滞納率など全13項目につき、同協会会員へのアンケートをもとに業況判断指数(DI)を算出しているもの。今回は、289社から回答を得た。
反響数DIでは、「メール」が42.7(前回調査29.1)と大きく増加。特に自社ホームページが24.3(同14.6)と伸びている。今回から質問項目に加えた「反響効果」も、インターネット経由での反響効果が高いことが分かった。来客数DIは、「一般単身(学生除く)」が23.6(同10.2)、「高齢者(65歳以上)」が13.0(同▲2.0)と増加。成約件数DIも、賃貸が31.1(同16.6)と大きく増加した。
一方、成約賃料DIは悪化傾向にあり、特に首都圏で「減少」回答の割合が高く、「増加」回答は5%弱にとどまった。同協会では、「礼金なし・敷金なし物件の増加に加え、フリーレント物件も増えている。首都圏では、礼金なし物件で8割、フリーレントで7割が『増加』と回答した。入居促進のために賃料を下げざるを得ない状況。成約件数の増加は、一時金の負担が減り、住み替え需要が増加したとも考えられる」と分析している。
同協会会員が委託管理(集金管理を含む)している賃貸住宅の入居率は90.2%(同90.6%)とほぼ横ばい、サブリース物件は93.9%(同94.8%)とやや低下した。滞納率は、月初では7.4%(同7.2%)、月末での1ヵ月滞納は3.2%(同3.0%)、2ヵ月滞納は1.8%(同1.6%)。滞納率は首都圏が6.0%(同7.0%)と減少したが、関西圏では10.2%(同7.5%)と増加した。
売上動向では、賃貸仲介で約45%が「増加」と回答したが、「減少」も約25%と高く、二極化の傾向にあることが分かった。また、管理手数料やリフォーム関連等、保険・共済等の付帯商品はDI値が高く、「賃料が下落する中で周辺事業拡大へシフト傾向が顕著」としている。