(株)矢野経済研究所は14日、2012年第1四半期(12年1~3月)の住宅リフォーム市場に関する調査結果を発表した。同社専門研究員が市場規模を算出、併せて文献調査を行なったもの。
同期の住宅リフォーム市場規模は、推計値で1兆535億円(前年同期比▲0.4%)と、00年以降の第1四半期の市場規模としては4番目に低く、昨年下期の好調が維持できず厳しいスタートとなった。それらを踏まえ、11年度(11年4月~12年3月)の市場規模は6兆1,276億円(同5.8%増)と推計、12年の市場規模は5.8~6.2兆円と予測した。
同社では、昨年下期の好調は、震災によるリフォーム実施時期の後送り分以外にも、震災による住宅の耐震性能に対する関心の高まりや、電力不足懸念による省エネ・創エネといったトレンドの高まりなど、一時的なトレンドが好調なリフォームを支えていたと分析。こういったトレンドが、時間の経過と共に少しずつ落ち着きをみせる一方で、これに変わるようなリフォームトレンドが今のところ盛り上がりに欠けるため、昨年下半期の好調をこの第1四半期に活かすことができなかったとみている。ただし、省エネ(断熱改修、窓リフォームなど)、創エネ(太陽光発電を中心としたホーム発電設備の導入)分野がリフォーム需要をけん引して、昨年同様に設備導入などが期待できれば市場は上向くだろうと指摘した。