(株)ビルディング企画は10日、6月の東京主要5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)のオフィス市況調査結果を発表した。
東京主要5区の平均空室率は8.94%(前月比0.04ポイント増)と、3ヵ月連続で上昇。区別では、千代田区7.36%(同▲0.21ポイント)、中央区7.75%(同0.62ポイント増)、港区9.01%(同0.13ポイント増)、新宿区14.04%(同0.24ポイント増)、渋谷区7.39%(同▲0.53ポイント)となった。最も空室率が上昇した中央区は、1,000坪超の新規募集が開始されたことが要因となり、2ヵ月連続で上昇。一方、千代田・渋谷区では複数の大規模成約が見られた他、新築ビルが高稼働で竣工した影響により空室率が改善した。
推定成約賃料は、坪当たり1万6,072円(同▲72円)。一部の高稼働ビルや、新規募集物件に値上がりの動きが見られるものの、依然として高い空室率を背景にテナント誘致競争は激化しており、賃下げの傾向は当面続くと予想。新築ビルの平均空室率は37.09%(同▲0.81ポイント)、推定成約賃料は2万8,143円(同▲7円)となった。
同社は、ビル市場の現況について「新築ビルへの移転による2次空室の発生が増加傾向にあり、さらに2次空室への移転による3次空室も表面化してきている。今後これらの動きがさらなる空室率の上昇をもたらし、テナント誘致競争が激化することによって、賃料の下落の要因にもなり得る」としている。