シービーアールイー(株)(CBRE)は19日、2012年第2四半期の首都圏および近畿圏大型マルチテナント型物流施設の市場動向を発表した。
当期の首都圏の空室率は3.6%(前期比0.9ポイント改善)と4期連続の改善を示した。約1年ぶりに2棟の新規供給があり、うち1棟が満室稼働。また、既存物件空室率も前期比1.7ポイント改善の2.6%と空室消化が進み、まとまった空室は希少となった。
近畿圏では、5月に09年第2四半期以来3年ぶりとなる大型開発が竣工し、空室率は前期の0%から8.8%に大幅上昇。ただし、現在、新規供給案件に対する引き合いは多く、早期の空室消化が期待されると分析。なお、既存物件では100%稼働が前期より継続している。
同社では「東京では大型優良物件に対する堅調な需要と品薄な状況があいまって空室率は改善傾向が続いており、賃料もすでに上昇局面に入りつつある。こうした状況下、既存のプレイヤーに加えて新規参入のプレイヤーも開発用地の取得意欲を強めている。12年下半期供給予定物件に対するリーシングも順調で、当面は現在の逼迫した需給バランスが継続すると考えられる」と分析している。