高齢者住宅経営者連絡協議会はこのほど、「会員企業における苦情実態調査に関する報告書」をとりまとめ、発表した。有料老人ホームの入居一時金をめぐるトラブルを消費者団体が指摘、また東京都が初期償却を認めない方針を打ち出したことから、苦情の実態調査、分析を行なったもの。2011年9月、加盟会員企業52社に対しアンケートを配布、12年1月末までに40社(76.9%)から回答を得た。
苦情状況をカテゴリー別にみると、「契約・解約」が12.5%、「料金・価格関連」が8.3%であるのに対し、「接客・対応関連」が91.7%と突出して多かった。次いで、「食事関連」が85.4%、「サービス品質・技術力関連」が68.8%となった。
また、入居者からの苦情は、入居・解約時よりも、ホームでの生活に密接したところで発生していた。入居一時金に関する苦情については、「苦情がある」との回答は18.8%にとどまり、入居一時金に関する苦情は少ない結果となった。
同協議会は、「消費者団体が指摘しているような金銭授受に関するトラブルは少なく、入居者と事業者間の密なコミュニケーションや丁寧な説明で回避できる」とし、各ホーム内での苦情対応および改善、質の向上を図り、より良い高齢者の住まいの場を提供していくよう、加盟会員事業者に周知していく考え。