


ナイス(株)は12日、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構(IBEC)が行なう「LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅」認定制度の最高レベル(☆☆☆☆☆)の認定を受けた戸建住宅を、報道陣および提携工務店関係者に公開した。
「LCCM住宅」とは、省CO2と環境に配慮した躯体や設備機器に加え、太陽光発電システムの搭載等により再生可能エネルギーを有効に活用し、住宅の建設から居住・廃棄に至るまでのライフサイクル全体を通じたCO2収支マイナスを目指す住宅。CASBEE(建築環境総合性能評価システム)でS(最高ランク)もしくはAランクを取得した住宅が対象となり、さらにライフサイクルCO2排出率によりランク分けされ、排出率0%以下が☆☆☆☆☆として認定される。これまでに、全国で3棟が☆☆☆☆☆認定を受けており、東日本ではナイスが初となる。
今回、同社が認定を取得した戸建住宅は、栃木県宇都宮市の分譲戸建住宅「ナイスアベニュー平松本町II」(総戸数9戸)の1つ。敷地面積は、約150平方メートル、建築面積は107平方メートル。ベースは、長期優良住宅を超える耐震等級や省エネルギー対策等級等を基本性能とした同社の戸建住宅「パワーホーム」のCASBEE仕様で、LED照明、高断熱浴槽や節水型便器、雨水貯水タンクなどを備えている。LCCM認定に当たっては、出力9.78kWという巨大な太陽光発電パネルを設置したほか、HEMSモニター、電化製品の遠隔操作システム、EV・PHV充電コンセントなどを追加。これらにより、CO2排出率マイナス5%を達成した。
なお、LCCM仕様とするための追加コストは約500万円で、同住宅地での販売価格は約3,800万円となる。
同日会見した同社代表取締役社長の平田恒一郎氏は「これほど早く認定を取得できるとは思わなかったが、ベースとなったパワーホームの性能が優れていたため、CASBEEもLCCMも比較的簡単に最高レベル認定を取得することができた。たとえ優れた省エネ性能を持った住宅でも、コストが高ければ意味がない。当社の場合は、認定をもらうため特別につくったわけではなく、ごく普通のパワーホームがベースとなっている点が画期的。工務店の皆様とともに、この住宅を普及させていきたい」と抱負を語った。