不動産ニュース / 調査・統計データ

2012/10/12

坪160万円未満のファミリーマンション、供給シェア2割弱まで低下/トータルブレイン調査

 分譲マンション事業の総合コンサルティングを手掛ける(株)トータルブレイン(東京都港区、代表取締役社長:久光龍彦氏)はこのほど、首都圏一次取得向けファミリーマンション市場の推移を分析したレポートを発表した。一般ファミリー層が無理なく購入できる坪単価160万円未満・3,000万円台マンションの販売戸数や平均価格、売れ行きなどを時系列で比較したもの。

 坪160万円未満のファミリーマンションは、2000~05年ごろまでは年間3万~4万戸供給され、市場シェアは45%前後だったが、新価格、リーマンショックを経て供給量が激減。11年は8,066戸・供給シェア18%にまで減少した。この要因について同社は、(1)06~07年にかけてのディベロッパーの郊外シフト失敗の反動で、都心回帰が急激に進んだこと、(2)用地価格と建築費の上昇によって超郊外部でなければ160万円未満の価格設定での供給が難しくなっていること、などを挙げている。

 10~12年のエリアごとの供給ボリュームも、東京23区が14物件・1,224戸で(01~02年比▲89.9%)、都下が32物件・2,732戸(同▲81.4%)、横浜市20物件・798戸(同▲93.3%)、川崎市9物件・356戸(同▲91.3%)、埼玉県75物件・4,607戸(同▲71.5%)、千葉県44物件・4,061戸(同▲71.5%)と軒並み減少。駅圏でも、郊外やマイナー路線の不人気駅が中心となっている。

 また、供給商品の中身を見ると、10年以降は専有面積70平方メートル台、販売価格2,500万~3,000万円、3LDK、駅徒歩15分圏内が平均的イメージだが、01年当時は、専有面積80~90平方メートルの商品も40%弱あり、間取りも4LDKが30%弱、駅距離は10分以下が半数を占めるなど、商品力がやや劣る現在の商品と比べ、割安な単価を生かして広くて居住性の高い商品だったことが分かる。

 今回の調査について同社は「この10年間で30歳代の給与所得は80万円以上低下するなど購入体力はどんどん低下しており、割安な一次取得者向け商品が必要になってきている」としながらも、「現在の高止まりしたマンション用地や建築費の上昇を加味すると、坪単価160万円未満の商品は作りづらい。せめて160万~170万円、グロス価格で3,000万円台までの一次取得者が買える魅力的な商品を供給のメインで計画していくことが必要」とコメントしている。

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