国土交通省、経済産業省、環境省の3省は15日、「省エネ基準合同会議(第4回)」および「低炭素基準合同会議(第4回)」を開催した。
省エネ基準合同会議では、住宅・建築物の省エネルギー基準の見直しについて議論。エネルギーの使用の合理化に関する建築主等および特定建築物の所有者の判断基準の制定に関するパブリックコメント(実施期間10月9日~11月7日、意見総数750件)の結果が配布され、「店舗併用住宅などの小規模な複合建築物は、住宅と非住宅が熱的には完全に同一空間のものと考えられるため、住宅の基準を適用してもよいのではないか」、「テナントビルの設計スペックは、入居テナントの人員数、レイアウトや設備負荷に柔軟に対応できるよう、平均的な負荷想定より高い水準で設計する必要があるため、基準値を超過する設計を行なう場合には配慮すべき」などの意見が紹介された。
パブリックコメントを踏まえて、事務所等における基準値の基となる標準仕様の変更や、店舗等併用住宅等の小規模な複合建築物の外皮基準の計算方法の特例の設定などにつき、告示案を修正。今後の課題については、特別な調査または研究に基づく評価など例外的な規定の具体的な運用、省エネ基準に適合する外皮・設備の仕様例の情報提供(住宅)、ポイント法に代わる簡易評価方法(非住宅)、PAL(年間熱負荷係数)に代わる外皮の評価方法(非住宅)などが提示された。
なお、改正後の省エネルギー基準の告示は、低炭素建築物に関する認定基準の告示と同日に公布する予定。改正後の省エネルギー基準の告示は、2013年4月1日の施行とし、14年3月31日までは経過措置として、現行基準の適用も認める予定。
一方、低炭素基準合同会議では、低炭素建築物の認定に関する基準の策定について議論。建築物に係るエネルギー使用の合理化の一層の促進、その他の建築物の低炭素化の促進のために誘導すべき基準案の制定に関するパブリックコメント(実施期間10月9日~11月7日、意見総数461件)の結果が配布され、「節水に関する取り組みとして、水道使用量の見える化も基準とすべき」、「太陽光発電の評価は、自家消費分のみでなく売電分も含めた総発電量の評価とすべき」、「停電対応システムを備えた燃料電池やコージェネレーション設備も、低炭素に資する上、防災機能としても活用できるシステムとなるため、蓄電池とセットで導入する際は、対象設備として取り扱うべき」などの意見が紹介された。
パブリックコメントを踏まえ、事務所等の空調設備や学校の標準仕様の変更、店舗等併用住宅等の小規模な複合建築物の外皮基準の計算方法の特例の設定などにつき、告示案を修正。今後の課題については、特別な調査または研究に基づく評価など例外的な規定の具体的な運用、認定基準に適合する外皮・設備の仕様例の情報提供(住宅)、省エネ基準における今後の検討を踏まえた見直し(非住宅)などが掲示された。
なお、低炭素建築物に関する認定基準の告示は、12年12月上旬に公布し、同日施行の予定。