不動産ニュース / 団体・グループ

2013/1/24

「平成25年度税制改正大綱」、各業界団体がコメント公表

 政府与党が24日発表した「平成25年度税制改正大綱」ついて、各業界団体のトップから以下の通りコメントが発表された。

【業界団体】
(一社)不動産協会(RECAJ) 理事長 木村惠司氏
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連) 会長 伊藤 博氏
(社)全日本不動産協会(全日) 理事長 川口 貢氏
(一社)不動産流通経営協会(FRK) 理事長 袖山靖雄氏
(社)日本ビルヂング協会連合会 会長 高木 丈太郎氏
(一社)不動産証券化協会(ARES) 会長 岩沙弘道氏
(社)住宅生産団体連合会(住団連) 会長 樋口武男氏


◆(一社)不動産協会(RECAJ) 理事長 木村惠司氏

 本日決定された「平成25年度税制改正大綱」では、消費税率引き上げに際して住宅取得の負担を軽減するための措置が決まるとともに、都市再生促進税制の延長、土地の登録免許税の軽減特例の延長、JREITの流通税の軽減特例の延長など、当協会の主要な要望が認められた。ご尽力頂いた関係各位に対して、厚く御礼申し上げたい。

 住宅消費税については、今回住宅ローン減税等の拡充に加え、給付の基本的な方向を示して頂いた。給付の詳細については今夏までに決定されるが、住宅購入者の負担が増えないよう十分な給付措置をお願いしたい。また、消費税率が10%となった時に軽減税率が導入される場合には、5%の軽減税率の適用をぜひともお願いしたいと考えている。

 我が国経済に明るい兆しが見え始めてきた中、持続的な経済成長を実現するためには、内需主導による成長戦略の加速化が不可欠である。今回の税制改正を踏まえ、当協会としても、資産デフレからの脱却と日本経済の再生に向け、貢献して参りたい。


◆(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連) 会長 伊藤 博氏

 平成25年度税制改正の最重点課題である住宅消費税について、本会では、住宅取得時に係る税負担が現行以上に増加しないよう、増税分の還付(給付)措置の創設について要望を行ってきた。

 今回の税制改正大綱では、住宅ローン減税を大幅に拡充したうえで、我々が要望してきた新たな給付措置を組み合わせることが盛り込まれており、内需の柱である住宅について相当な配慮をいただいたことは評価をしたいし、感謝を申し上げたい。

 特に住宅ローン控除の住民税分の上限引き上げは、これまで減税の恩恵を充分受けられなかった低所得者に対する効果が期待でき、大いに評価したいところである。

 ただ、給付措置については現時点で詳細が見えていない。今後、適用条件等について検討されるようだが、消費税増税の緩和策という本来の目的を達成するためにも、また、住宅取引活性化による内需拡大のためにも、年収要件や住宅の性能条件は付さないよう要望していきたい。
 また、消費者への分かり安さという点からも、税率10%引き上げ時には、是非とも住宅に係る軽減税率を導入していただくよう、本格的な検討を望むところである。

 この他、土地・住宅に係る登録免許税の軽減措置の延長やリフォーム減税の拡充等も盛り込まれており、我々宅建業界としても、住宅・不動産取引を通じて、少しでも景気浮揚に貢献できるよう今後益々邁進していきたい。


◆(社)全日本不動産協会(全日) 理事長 川口 貢氏

 平成25年度税制改正にあたっては、消費税率引上げ時に、駆込み需要とその反動による影響を緩和するため、住宅取得に係る税負担をこれ以上増加させない措置を講じるよう業界を挙げて強く要望してきた。
 このたびの税制改正大綱では、住宅ローン減税が4年間の延長が認められ、控除額は現行の2倍とし、年間の納税額が低い人に対しては現金給付するなど、手厚く配慮いただいていることに評価したい。給付措置については、具体的な制度設計が盛り込まれなかったことについてはいささか残念ではあるものの、適切な給付措置について、今後、早い時期に具体的な議論が進んでいくことを期待する。


◆(一社)不動産流通経営協会(FRK) 理事長 袖山靖雄氏

 今般発表された税制改正大綱は、資産デフレ不況から脱却し経済を成長させていくという安倍新政権の目標を念頭に策定されたものと理解している。
 ここ数年、フローからストックへという住宅政策の動きが加速していく中、住宅用家屋についての登録免許税の軽減、土地の売買による所有権移転登記等に係る登録免許税の軽減、不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の軽減など、期限切れとなる住宅取得に関する特例措置が延長されたことは、その動きを停滞させない内容であると評価したい。

 また、平成26年4月に予定されている消費税の増税で、住宅を購入する人の負担を緩和するための、住宅ローン減税の期間延長と減税額の増額等については、新築住宅はもとより既存住宅の購入者にとってもメリットのある施策であり歓迎したい。

 先日、内閣府が発表した国全体の資産から負債を差し引いた平成23年末の正味資産(国富)は2,995兆円と4年連続減少したが、その主因は地価の下落にある。
 資産デフレからの脱却には、不動産流通市場が活性化し、取引が増加し、地価が下げ止まることが極めて重要であると考える。
 我々もそのための努力を継続していくつもりであるが、それを後押しする税制の支援を今後も期待したい。


◆(社)日本ビルヂング協会連合会 会長 高木 丈太郎氏

 今回の税制改正大綱において、当連合会の要望を踏まえ、都市再生緊急整備地域において備蓄倉庫等を整備した場合の固定資産税・都市計画税の課税標準控除制度が創設され、また、都市再生促進税制における特例措置や市街地再開発事業における特例措置につき、延長がなされたことを評価したい。

 また、先の臨時国会で成立した「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づく省エネ性能を備えた建築物の整備推進のための認定集約都市開発事業に係る買替え特例等の制度が創設されたことを評価したい。

 当連合会は、今後とも都市の安全・安心や省エネルギー・低炭素化の促進に資する税制改正を提言していく。


◆(一社)不動産証券化協会(ARES) 会長 岩沙弘道氏

 JREITに代表される不動産投資市場は、投資家に安定的配当を分配することで国民の資産形成に寄与するとともに、投資資金の循環により、都市再生や地域活性化に貢献している。不動産投資市場の活性化は、デフレ脱却を促進し、日本経済の再生を牽引するものである。

 平成25年度税制改正大綱において、当協会が要望した「JREIT・TMKに係る登録免許税及び不動産取得税の軽減措置延長」、「JREITが特定の試算の買換えによる課税の特例を受けるための導管性要件の変更」、「JREITによる海外不動産への間接投資を可能とする措置の導入」、「不動産特定共同事業法(特例事業者)に係る登録免許税及び不動産取得税の軽減措置の導入」が措置されたことは、不動産投資市場の活性化を促すものであり、高く評価する。
 ご尽力いただいた関係者の方々に深く感謝を申しあげる。

 当協会としても、不動産投資市場の活性化により日本経済の再生に貢献するべく、使命感を持って取り組む所存である。


◆(社)住宅生産団体連合会(住団連) 会長 樋口武男氏

 平成25年度税制大綱で、来年度に予定されている住宅取得に係る消費税率アップに対する対策として、住宅ローン減税、投資型減税、リフォーム減税などの制度が大幅に拡充され、さらに、減税だけではまかないきれない増税分を手当ていただく給付措置を講ずる事が盛り込まれました。
 住団連が、かねてより要望していた負担軽減措置が講じられたことは、大変歓迎すべきことであり、これから住宅取得を計画する消費者にとって安心して計画を進める事が出来、また、駆け込み需要や反動減による住宅市場の混乱を引き起こす懸念が薄れ、高く評価できるものです。関係者のご努力に対し心より敬意を表したいと思います。
 引き続き、給付措置についての制度設計が検討されることになりますが、出来るだけ早い時期に具体的な内容が決定される事を期待しております。

 また、住宅関連税制では、住団連が要望していた租税特別措置法の延長についてもほぼ認められ、評価が出来る税制改正大綱と言えます。
 経済環境は依然厳しい状況が継続していますが、住宅産業界は本大綱を踏まえて、内需拡大、地域経済の活性化に貢献すべく、良質な住宅の普及・促進に向けて努力して参ります。

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