日本不動産金融工学学会(JAREFE)と(一社)不動産証券化協会(ARES)は6日、「不動産投資インデックスセミナー2013」をベルサール神田イベントホール(東京都千代田区)にて開催した。
冒頭「不動産投資インデックス新設の概要と展望」というテーマで、ARES調査部上席研究員の澤田考士氏が、不動産投資インデックスの定義や活用ニーズ、新たにインデックスを新設した背景と経緯について解説。続いて同事務局次長調査部長の高井良 博氏は、新設したインデックスについてさらに詳しく説明した。インデックス新設について「年金の運用資産における不動産やJREITの割合を欧米並みの2%、3%と引き上げていくには、個別案件を積み上げていくだけでは限界がある。まずはインフラの整備を、と考え進めてきた」などと述べた。
続いて、(株)野村総合研究所 公共経営コンサルティング部 主任研究員の谷山智彦氏が「市場センチメント指数から読み解く日本の不動産投資市場」というテーマで講演。不動産市場における情報ラグは、市場のセンチメントやムードを適切に、定量的に捉え、併せてニュース記事やインターネット検索量などのビッグデータを活用することでリアルタイムの不動産市場を分析することから克服できるのではないかと指摘した。
最後に、JAREFE会長で早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授の川口 雄一郎氏が「不動産インデックスを巡る最近の動向」というテーマで、ビッグデータの活用を含めた学会の動向、不動産投資インデックスの現状と課題、改善策を含めた政策の動向、不動産インデックスを実用化する実務界の動向などについて講演した。