(一社)不動産協会は10日、日経ホール(東京都千代田区)にて同協会50周年記念のシンポジウム「活力ある日本と不動産業の役割」を開催。約600名が聴講した。
冒頭、挨拶した同協会理事長の木村惠司氏は、「1963年に当協会が設立してから今日まで、日本経済は高度経済成長、バブル崩壊等を経て、現在はグローバル化が求められている。アジアの中での都市競争力の強化は、成長戦略のカギ。このシンポジウムを介して、不動産業が担う役割について、積極的に意見を交換していきたい」などと語った。
シンポジウムでは、まず(株)野村総合研究所顧問・東京大学公共政策大学院客員教授の増田寛也氏が「活力ある日本へのグランドデザインと不動産業」をテーマに基調講演。これからの日本のグランドデザインを描くには、地域資源の活用が必要であるとし、世界の成長センターとしての東京の再生や、地方都市の自立的な地域形成等を挙げた。また、今後の課題として“高齢者を活かすまちづくり”を提唱。医療区分の明確化や、病院のまちづくりへの参画、ヘルスケアリートの必要性等を説いた。
続いて、青山 佾氏(明治大学公共政策大学院教授)、幸田真音氏(作家)、イェスパー コール氏(JPモルガン証券(株)株式調査部長)、木村理事長によるパネルディスカッションを実施。日本の発展のために不動産業に課される役割をテーマに議論を展開し、「日本の有する都市機能の高さをグロバールにアピールしていくためには、国際的な連携を図りながら、ハードだけでなくエリアマネジメントやPM等に力を入れていく必要がある」(木村理事長)と結んだ。