(一社)不動産流通経営協会(FRK)は15日、「若者世代の住み替え意識調査 概要版」を発表した。住宅取得のボリュームゾーンである若者世代を対象に、今後の住み替え意識や物件選択に関するこだわり、ライフスタイルの志向性について調査したもの。1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)に居住する20~40歳代の男女(世帯主に限らず)を対象に、インターネットによりアンケート。有効回答数は4,500。
住み替えの意向では、「現在住み替え意向あり」が21.6%、「将来可能性あり」を含め、55.7%と過半数に達した。20歳代の住み替え意向は他の世代に比べて高く、特に賃貸住宅居住者の住み替え意欲は40%程度、「将来可能性あり」層を含め、80%を占めた。住み替え阻害要因としては、「住宅取得の資金調達」や「将来の安定的収入確保」などが挙がった。
「将来可能性あり」層を含めた住み替え希望者の住み替え先は、現在の住まいが持家戸建ての場合、約60%が再び持家戸建てへ、分譲マンションでは約55%、賃貸住宅も約50%が同じ住宅形態への住み替えを希望していた。また、住み替え先として希望する住まいは、持家への住み替え希望者のうち45.6%が「新築にこだわらない」と回答。中古なら築10年以内なら購入したいという割合が約5割を占めた。新耐震基準(1981年以降)を満たしていれば良いという回答も2割程度あった。
一方、住み替え希望先のこだわりは「日当たり・通風」「耐震性」などの快適性、安心・安全性が多かった。これらについては、「費用が掛かっても優先したい」との意向が8割を超えた。
今回の調査に付いて同協会は、「持家戸建てでは“老朽化”や“親からの独立”を機に住み替えを考えるケースが多く、分譲マンションでは30歳代後半をピークに“広さ”への志向や“戸建て”志向が見られる」と分析している。