シービーアールイー(株)(CBRE)は24日、六本木アカデミーヒルズ(東京都港区)にて、「不動産フォーラム2013」を開催、アジア・パシフィックの不動産マーケット、日本のオフィス、物流(インダストリアル)、店舗(リテール)の各セクター別のマーケットの動向・現状や今後の見通しについて講演を行なった。
午前の部では、同社アジアパシフィック リサーチヘッドのニック アックスフォード氏がアジアパシフィックマーケット市場の展望と欧州、北米、中国、日本におけるそれぞれの地域での経済環境とそれが与える不動産への影響について解説した。経済環境が依然として不透明な状況の中、アジアのオフィス需要は適度な水準を維持してはいるが、「平均的なものではないので、それぞれの現地市場に目を向ける必要がある」と述べた。また、同社ブローカレッジ本部シニアディレクターの遠山芳博氏がリテールマーケットの展望について講演。募集面積や募集賃料の変化を東京と地方都市のデータを使い説明、テナントの動きや新規出店は活発化しつつあり、賃料についてもそれが追い風になっていくだろうと予測した。
午後の部では、同社インダストリアル営業本部シニアディレクターの小林 麿氏が講演。インダストリアルマーケットの展望について、通販ビジネスの成長に伴うテナントの動きが活発化、物流専門REITの上場が相次ぐなど売買マーケットとしても活況であるとし、今後もこの状況は続くものと分析した。オフィスマーケットの展望については、同社オキュパイヤーサービス本部エグゼクティブディレクターの高橋フレッド氏が講演。同社が定義するグレードAのビルの賃料は、12年の第4四半期で底打ちしたとデータを使って解説し、「空室率も改善してきたことから、今後は賃料も上昇基調となるだろう」と述べた。それに伴い、移転検討するテナントがグレードAビルには手が届かなくなり、グレードBビルの需要の増加が見込まれ、その結果グレードA・Bビルともに空室率の改善は続くと説明した。
また、それぞれの講演後には、各セクターを代表するさまざまな企業からパネリストを迎えて、パネルディスカッションを実施、今後の展望などについて活発な意見交換が行なわれた。