(公財)日本賃貸住宅管理協会は27日、2012年度下期(12年10~13年3月)の賃貸住宅市場景況感調査「日管協短観」を発表した。入居率、来客率、成約件数、滞納率など全18項目について、同協会会員に実施したアンケートを基に、業況判断指数(DI値)を用いて分析しているもの。今回は195社から回答を得た。
12年度下期総合では、11年度下期の水準には達してはいないものの、12年度上期と比較すると回復への動きが見られた。
告知媒体では、全体では「変化なし」が最も高い割合を占めたが、「増加」も次いで高い値に。媒体種類別では、情報誌が「減少」する一方で、「ポータルサイト」や「自社HP」の割合が増加。「IT時代の流れで、管理会社等がそれぞれに工夫している様子がうかがえる」と分析した。
反響数は、DI値をみると11年度下期には達しなかったものの、「メール」が33.6と大幅に増加(前回調査22.7)、また「直接来店」が首都圏、首都圏・関西圏を除くエリアで大きく改善したことが寄与し、14.3(同2.5)と大幅に増加した。
成約件数は、DI値が賃貸16.8(同4.1)、売買26.5(同10.9)と大幅に増加したものの、賃貸では5割超が「増加」と回答したのに対し、売買では「変化なし」が52.4%と「増加」の43.5%を上回る結果となった。また、地域別では、首都圏・関西圏を除くエリアにおいて、賃貸・売買とも「増加」の割合がそれぞれ5割を超えた。
成約賃料は全体では「変化なし」「減少」が拮抗し、DI値では全体的にマイナスとなった。中でも最大需要圏である首都圏が「減少」の割合が50%と高く、この原因については「借り手の収入が延びていないためではないか」と推察した。
売上動向では、賃貸仲介・管理手数料・リフォーム関連・付帯商品において「増加」が目立ったが、首都圏・関西圏を除くエリアでは、賃貸仲介について「増加」「減少」とで2極化する傾向に。
入居条件については、フリーレントと、礼金なし物件、敷金(保証金)なし物件など、入居時の一時金が少ない物件で「増加」の割合が高く、特に首都圏においては礼金なし物件で「増加」が71.7%と高い割合を示した。