シービーアールイー(株)(CBRE)は23日、首都圏と近畿圏の2013年第3四半期の賃貸物流施設市場動向を公表した。延床面積1万坪以上のマルチテナント型物流施設について、首都圏(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)63棟、近畿圏(大阪府、兵庫県)12棟を対象に調査したもの。
首都圏の空室率は4.3%(前期比1.6ポイント上昇)と上昇。当期竣工した4棟のうち、2棟は計画段階でテナントが確定し、日本最大級の賃貸面積を持つ「ロジポート相模原」も、当初見込みの通り約60%の稼働率で竣工したことから、予想よりも空室率の上昇幅は小さかった。
当期の需要面積は、04年の調査開始以来3番目の高水準となった。特に、東京中心部へのアクセスに恵まれ賃料水準も高くない埼玉県三郷市・千葉県柏市エリアが需要を吸収し、同エリアではまとまった募集空室はほとんどなくなっている。こうした旺盛な需要を背景に、賃料面でもオーナー側が強気となっており、賃料改定や新規契約の実効賃料は上昇基調が続いている。
同社は「満床となって募集を終了した14年度竣工物件も複数あり、需要は衰えが見られない」と分析する。標準的な需要量を想定した場合、14年第1四半期時点の空室率は9%台にとどまると予想。賃料面も全般的にやや上向きで推移しそうだという。
近畿圏の空室率は1.0%(同0.5ポイント低下)。テナントの物件選びに前倒しの傾向が出てきており、未竣工物件でも募集は好調に推移している。