オリックス不動産グループは、オーナーへの土地有効活用提案による高齢者住宅・施設開発を本格化する。
同グループはこれまで、自社の複合開発等への付帯など、土地・建物を自社開発する手法で高齢者住宅の供給を進めてきた。今後は、土地オーナーに高齢者住宅を建ててもらい、同社が借り上げ、高齢者住宅の運営会社であるオリックス・リビング(株)が20年一括借り上げするスキームによる土地有効活用による供給にシフトする。
同スキームによる高齢者住宅開発第1弾として、住宅型有料老人ホーム「グッドタイムリビング調布」(東京都調布市、総室数70室)を、2012年11月に開業。第2弾として、住宅型有料老人ホーム「グッドタイム リビング新百合ヶ丘」(川崎市麻生区、総室数100室)を12月1日に開業する。
同物件は、小田急小田原線「新百合ヶ丘」駅徒歩6分の法人所有の資材置場を開発したもの。建物は、地上6階地下1階建て。専有面積20平方メートルの1人用(85室)、40平方メートルの2人用居室(6室)に加え、自分で料理を楽しむなどアクティブシニア向けの1人用ラージタイプ(30平方メートル)を9室設けた。
スタッフによる日常サポートに加え、協力医療機関の医師による訪問など、健康管理から急病時に至る各場面で対応。また、アクティビティサロンやビューティサロンといった共用施設をワンフロアに集約し、入居者の充実した暮らしをサポートする。
1人用標準タイプは入居時費用1,110万円~、月額利用料21万7,500円~。物件5km圏のユーザー中心に、すでに30室に申し込みが入っている。
同物件の開業で、同グループが運営する有料老人ホームは21棟・1,740室となった。今後の開発展開について、オリックス不動産(株)高齢者住宅事業本部施設開発部開発第一課長の松山正和氏は「交通アクセスが良く、公共施設や生活利便施設が近い駅近くの土地は高齢者住宅にうってつけだが、入手することは困難だし、採算性も厳しくなる。土地オーナーへの有活提案であれば、こうした好立地に高齢者住宅を建てることができる。今後は、オーナーへの有活提案をメインに、年間2、3物件ペースで高齢者住宅を供給していきたい」と抱負を語った。