旭化成ホームズ(株)は21日、経団連会館(東京都千代田区)で12回目となる「くらしノベーションフォーラム」を行なった。同フォーラムは、プレス関係者や同社くらしノベーション研究所の所員が住まいに関する知見を深める目的で定期的に実施しているもの。
今回は、千葉大学教授の小林秀樹氏が「ナワバリ学で家族と住まいを読み解く」と題して講演した。同氏は「その場所を自分たちのものだと思い、そこをコントロールしようとする一定の空間」を『ナワバリ』と定義。ナワバリを通じて、二世帯同居のあり方を考察した。「日本では共用空間があるとそこを使う集団に順位が生じる。そうすると『みんなの場所』は、誰のものでもなくなり、かえって『みんなで管理する』ことは失敗しやすい。二世帯住宅の部分同居の共用空間は、親子世帯が両方で管理するのではなく、『誰か』のナワバリとして、そこを開放するという考え方を持つべき」と述べた。
小林氏の講演後、くらしノベーション研究所二世帯住宅研究所長の松本吉彦氏が「ナワバリ学で解釈する二世帯交流空間の変遷」をテーマに研究発表を行なった。1975年に『二世帯住宅』という言葉を生み出したといわれる同社の二世帯住宅商品開発の変遷を追いながら、将来的に親世帯が抜けた後の二世帯住宅の活用法などを提案した。