不動産ニュース / 開発・分譲

2014/3/17

東京都江戸川区で、LPガスの「災害対応型エネルギーシステム」導入マンションの初弾/スターツCAM

LPガスの「災害対応型エネルギーシステム」を導入し、さらに防災性を高めた免震マンション「アネシス リアン」外観
LPガスの「災害対応型エネルギーシステム」を導入し、さらに防災性を高めた免震マンション「アネシス リアン」外観
屋上にLPガスを利用した「災害対応型エネルギーシステム」を設置。機械の上下に層を設けることで、稼働音が外にもれにくい仕組み
屋上にLPガスを利用した「災害対応型エネルギーシステム」を設置。機械の上下に層を設けることで、稼働音が外にもれにくい仕組み
住戸では、非常用電源への切り替えスイッチを手動で切り替えると、非常用回線をリビング、キッチン、寝室などの専用コンセントを通じて電気を利用できる
住戸では、非常用電源への切り替えスイッチを手動で切り替えると、非常用回線をリビング、キッチン、寝室などの専用コンセントを通じて電気を利用できる

 スターツCAM(株)は17日、岩谷産業(株)との共同開発であるLPガス(プロパンガス)の「災害対応型エネルギーシステム」を導入した防災賃貸マンションの初弾「アネシス リアン」(東京都江戸川区、総戸数29戸)を竣工、報道陣に公開した。

 鉄筋コンクリート造地上10階建て。都営新宿線「船堀」駅徒歩10分に立地する。
 同社では、1999年より270棟の免震構造マンションを受注。免震技術の特許工法「高床免震」「吊床免震」「低重心免震」も開発している。2011年末に、同免震構造マンション工法にLPガスの「災害対応型エネルギーシステム」を導入した新工法を開発した。

 同システムは、敷地内にバルクタンク(大型LPガスタンク)とガス発電機を設置し、地震等により都市ガスや電気の供給が遮断されても、タンク内のガスを利用して発電することで、ガスと電気両方を確保する仕組み。災害時に強いLPガス充填センターを有し、エネルギーの安定供給体制を整備している岩谷産業と連携することで、非常時に備えてバルクタンクにガスが補充されるように管理していく。
 同物件では、敷地内にバルクタンクを埋設し、残量が60%を切ると補充する。発電機は屋上に設置。最低3日間の非常用電力とガスを確保する。

 非常時には共用部エレベーターや各住戸などに非常用電力を送電。住戸では、非常用電源への切り替えスイッチを手動で切り替えると、非常用回線をリビング、キッチン、寝室などの専用コンセントを通じて電気を利用できる。1住戸当たり最大1kWの電力が使用可能。

 また、1階には防災倉庫を設け、各世帯分の非常用持ち出しセットや災害救援キット、非常用浄水器を備蓄。倉庫内にはマンホールを利用した非常用トイレも設けている。そのほか、かねてより免震マンションの敷地内で設置を進めてきた防災井戸やかまどになるベンチも設け、地域の災害対応拠点となることも目指している。

 専有面積は57.81~60.90平方メートル。間取りは2LDK。賃料は12万5,000~14万5,000円。募集開始3ヵ月で満室となった。入居者は2~3人のファミリー世帯が中心。21日より入居開始を予定。

 同社建設統括本部設計部統括部長の千坂真吾氏は、「仙台の免震物件では、東日本大震災の際、物件はまったく損傷がなかったが、周囲のインフラがストップし、入居者の生活が困難となった。そこで、災害時でも生活ができるインフラ設備も付加した免震マンションを開発した」と述べた。

 現在、防災賃貸マンションの2弾目を横浜に建築中で、6月末に引き渡しを予定している。

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