(株)東京カンテイは7日、調査レポート「分譲マンション賃料の徹底研究」を発表した。同社のデータベースを基に、分譲マンションが賃貸された場合の賃料水準に対して、築年数と最寄駅からの所要時間が与える影響を調査した。
築年数を3、5、10、15、20、25、30年、所要時間を3分以内、4~6分、7~10分、11~15分、16~20分と区分し、それぞれを組み合わせて主要都市の賃料水準を算出した。東京23区は、「築3年・徒歩3分以内」の賃料水準が最も高く、1平方メートル当たり4,002円。ここを頂点に、築年数が古く・所要時間が長くなるにつれて賃料水準が低下する傾向が鮮明に表れた。大阪市やほかの主要都市についても、おおむね同じ傾向を示した。
築年数と最寄駅からの所要時間のどちらが賃料に大きな影響を与えるかという視点での調査では、「最寄駅から7~10分」の事例を抜粋し、築3年を基準に築年数を重ねることによる賃料減価の動きを抽出した。東京23区では築5年9.5%低下、10年8.0%低下、15年19.9%低下、20年30.2%低下、25年30.3%低下、30年27.5%低下となった。名古屋市、大阪市とも同様の傾向で、築20年を底に賃料の下落は3割程度で落ち着く傾向が表れた。「かなり古い物件であっても、一定の収益性が担保されていることを示している」(同社)と分析した。
また同様に、「築15年」の事例を抜粋。最寄駅からの所要時間3分以内を基準として所要時間の変化による賃料減価の数値を算出した。東京23区では4~6分1.3%低下、7~10分1.3%低下、11~15分12.7%低下、16~20分16.2%低下となった。名古屋市でも同様の傾向が見られ、駅からの所要時間が10分を超えると突然賃料の低下幅が大きくなることが分かった。「10分以内の物件に対するニーズの強さが関係していると考えられる」(同社)。