不動産ニュース / その他

2014/5/9

積極的な情報把握や人員拡充など「違法貸しルーム」対策を通知/国交省

 国土交通省は9日、違法貸しルーム対策の推進について、都道府県を通じて全国の特定行政庁に対して通知した。

 これまでも特定行政庁に対して「多人数の居住実態がありながら防火関係規定等の建築基準法違反の疑いのある建築物に関する対策について」(2013年6月10日付け)により、国交省より情報提供を受けた物件等について、立入調査等の実施や違反物件の是正指導等を行なうことを依頼するとともに、同年9月6日には、立入調査や是正指導等を行なう上での留意点を通知していた。

 同調査により3月末現在で、1,893件が調査対象となっており、そのうち853件で建築基準法または関連条例の違反が判明。また、今年1月には、横浜市が違反是正指導中の違法貸しルームにおいて火災が発生し、5名の軽傷者が出たほか、2月および4月には川口市において、違法貸しルームおよびその疑いのある物件で国交省等に対して通報が寄せられていなかったものにおいて火災が発生している。
 これらの火災においては、死者が出る事態には至らなかったものの、違法貸しルームには、防火・避難関係の基準を満たしていないものが多く、同様の火災の発生時に重大な被害が発生する恐れがあることも踏まえ、違法貸しルームであることが疑われる物件の調査、違反が判明した物件の是正のさらなる徹底を周知していくもの。

 違法貸しルームであることが疑われる物件に関する情報の把握するために、地域住民等に対して、広報誌、ホームページ等を通じて情報提供を広く呼びかけるなど、積極的な情報把握に努めるよう指示。人員を拡充するなど、迅速な調査の実施に向けて体制の充実を図るべきとした。また、日頃から消防部局との連携を図り、万が一火災が発生した場合には速やかに対応できる体制構築が必要とした。

 違反の是正にあたり、入居者の退去が必要となることが見込まれるケースにおいては、(1)退去する入居者の転居先が円滑に確保されるよう是正のために必要な改修工事等まで十分な時間的な猶予を確保すること、(2)入居者の退去が必要となることが見込まれる物件については、できるだけ早い段階で当該物件に係る情報を福祉部局に提供するとともに、福祉部局等に相談を寄せている入居者の有無や状況について適宜情報交換するよう、福祉部局等に要請することなどを指示した。

動画でチラ見!

座談会「事故物件に立ち向かう」

掲載誌はこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年7月号
定住・関係人口増加で空き家も活用?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/6/5

「月刊不動産流通2025年7月号」発売中!

「月刊不動産流通2025年7月号」が好評発売中です。購入はショップサイトから。
特集は、「事業者・自治体がリード!二地域居住」。
近年人口減少により地域の活力が失われていくという危機感を持ち、活気を取り戻すために二地域居住を促進させている地域が多くあります。今回は、そんな二地域居住に積極的に取り組んでいる事業者を取材。具体的な事例やその狙い、実際に表れている効果なども紹介しています。