シービーアールイー(株)(CBRE)は29日、「不動産投資に関するアンケート」の調査結果を発表した。四半期ごとに不動産投資家に対して実施しているもの。今回は2014年3月27日~4月18日の期間、221名を対象に実施し、148名から回答を得た。
東京主要部の期待利回り(NOIベース)の平均値は「賃貸マンション(ファミリー)」が前期比で横ばいとなったものの、そのほかのセクターでは低下。「オフィス(大手町)」は4.13%(前期比2bps低下)、「商業施設(銀座中央通り)」は、4.35%(同5bps低下)に。「倉庫(マルチテナント・首都圏湾岸部)」は5.46%(同14bps低下)と、低下幅が拡大した。
一方、「大阪オフィス(全体)」も6.08%(同15bps低下)、「名古屋オフィス(全体)」が6.35%(同10bps低下)に。特に大阪は2008年以降初めて下限値が6%を下回り、オフィス賃料の底打ちの兆しがみられる結果となった。
「オフィス(Aクラスビル)」について、「不動産取引量」、「売買取引価格」、「NOI」、「期待利回り」等について尋ねた結果、“3ヵ月前と比べた最近”の状況について、「NOI」が7ポイント改善した。そのほかの項目はやや悪化したものの、“3ヵ月前と変わらない”という回答が増加しており、依然として改善方向の回答が過半数を占めた。
「物流施設(マルチテナント型)」についても、オフィス同様の傾向を示したが、「空室率」については、大量供給の影響がみられ、「上昇する」がやや増加。DIは5ポイント悪化した。また、「現在と比べた6ヵ月先」の状況については、オフィス、物流施設ともに改善傾向にあり、特に「オフィス(Aクラスビル」)のNOIの改善が顕著となっている。
一方、JREITによる取り引きや公表案件を同社が集計したところ、14年(1~3月)の収益不動産の累計取引額は1兆円(同9.1%減少)だった。このうち、JREITによる今期の取得総額は3,760億円(同9.8%増)と、全体の38%を占めた。累計取引額が減少した理由は、JREITを除く国内投資家の取り引きが減少したことが挙げられるが、物流施設の取引額は前年同期比で11%の増加となり、引き続き売買市場における存在感が高まっていることがわかった。