三井不動産(株)は5日、柏の葉スマートシティに完成した国内最大級の植物工場「柏の葉 第2グリーンルーム」(千葉県柏市)を報道陣に公開した。
同社は、柏の葉スマートシティにおいて「環境共生都市」「健康長寿都市」「新産業創造都市」の3つの取り組みを推進しており、植物工場は「新産業創造都市」に対する取り組みの一環として事業化したもの。
土地・工場を同社グループが開発し、水耕栽培の生産・販売、水耕栽培装置の研究開発・販売などを手掛ける(株)みらい(東京都千代田区、代表取締役社長:嶋村茂治氏)がテナントとなり、生産を行なう。生産された野菜は、JAグループを始めとする系統団体が国と共に設立した6次産業化ファンド、三井不動産、みらいが出資する(株)みらいトレーディングがパッキングして出荷する。なお同社への出資は、6次産業化ファンドの第1号案件。
植物工場は敷地2,986平方メートル、延床面積1,260平方メートル、木造壁工法2階建て。約150坪栽培室2つを備える。栽培室は無柱空間としており、高い断熱性・気密性も確保した。施工は三井ホーム(株)で、同社過去最大の無柱大空間となる。
工場内に多段のベッドを設置し、狭い空間で効率良く野菜を生産・収穫していく。また温度、光、水、養分などの環境を人工的に制御し、安定的に高い生産性の野菜供給を実施する。予定収穫量は「レタスを1日1万株生産していく計画。関東最大級の規模」(みらい代表取締役・嶋村氏)。
三井不動産ビルディング事業企画部長の小野雄吾氏は、「『三井不動産がなぜ植物工場を』という声もあるが、食の安心・安全へのニーズや健康志向の高まり、食料自給率の向上への貢献として、事業化を決定した。今後も新産業創出・育成などの面にも積極的に取り組んでいく」と語った。