高齢者住宅経営者連絡協議会(高経協)は12日、「リビング・オブ・ザ・イヤー2014」の最終選考会を日本教育会館(東京都千代田区)で開催。「大賞ホーム」を選出した。
「リビング・オブ・ザ・イヤー2014」は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ付き住宅)、グループホーム、特別養護老人ホームなどのいわゆる「高齢者住宅」の中から、高齢者が安全に尊厳ある暮らしができ、生活空間・各種サービスが最も優れたものを選定。開発・運営事業者をたたえることを目的としたもので、今年が初開催。
自薦・他薦を問わず、2011年4月1日から14年3月31日までに日本国内で運営を開始したすべての高齢者住宅が対象。独自の医療連携や看護・看取りを行なっている、過去にない斬新なコンセプトに基づいてつくられているなどの設定条件のうち、最低1つを満たしていることが条件。
61の高齢者住宅がエントリーし、1次審査では、21ホームを選出。2次審査では、実行委員による見学審査を行ない、7ホームをファイナリストとして選出した。最終選考会では、ファイナリストとなったホームがそれぞれ10分間のプレゼンを実施。会場に出席した100人の選考委員の投票により大賞を決定した。
大賞には、29票を獲得した住宅型有料老人ホーム「アクラスタウン」(福岡県太宰府市、運営主体:(株)誠心)が選ばれた。同施設は、長年看護師として高齢者の介護・看護にあたってきた同社代表取締役の吉松泰子氏の思いを具現化させたコレクティブハウス。社会に開かれたホームを標榜し、食事処やギャラリー、カフェなどを併設。介護については、介護保険サービス限度額を超える介護・看護サービスについても定額でまかなうシステムを実現し、施設内での看取りや葬儀実施も対応している。
吉松氏は「ひとりぼっちで始めた事業だったが、今は職員に支えられ、こうした栄えある賞を受賞できた。今後も職員と共に頑張っていきたい」と受賞の喜びを語った。
締めの挨拶に立った高経協会長の森川悦明氏(オリックス・リビング(株)代表取締役)は、「高齢者の尊厳ある暮らし実現へ日々努力されているスタッフ、そして住宅・施設をたたえるアワードをということで実現した。ランキングが目的ではなく、すばらしい高齢者住宅の広まりを後押しするために始めた。良質な取り組みが全国に広まることを祈念したい」と語った。