ザイマックス不動産総合研究所は19日、成約賃料ベースのオフィス賃料指数「ザイマックス新規成約賃料インデックス」を発表した。今後ホームページで四半期ごとに公表する。
同インデックスは、募集賃料ではなく、実際に市場で取引された成約賃料を基にしており、ヘドニック法(便益の評価手法の一つ)により、延床面積や築年数などの賃料形成要因について品質調整を行なうことで、不動産の個別性による影響を取り除いた。また、市場構造の変化に対して統計的な処理を逐次行なうことで、市場環境の適切な反映を目指した。
2001年第1四半期~14年第2四半期の全体では、2014年第2四半期は91となり(10年第1四半期=100)、対前期比で3ポイント下落、対前年同期比で10ポイント上昇した。12年第2四半期の76をボトムに、緩やかな上昇傾向にある。
大規模ビル(延床面積5,000坪以上)と中小規模ビル(同5,000坪未満)別では、ピークからボトムまでの変化を見ると、大規模ビルは190(08年第2四半期)から76(12年第2四半期)となった一方、中小規模はビル146(08年第2四半期)から79(12年第2四半期)となった。これにより大規模ビルは、賃料の変動が激しい傾向があることがわかる。
成約賃料DI(オフィス成約賃料の上昇と下落のトレンドを表す指標)との比較では、DIがプラスの時期は成約賃料が上昇し、マイナスの時期は下落することがわかった。また、DIの絶対値が大きくなると成約賃料は急速に変化し、逆にDIの絶対値が小さいと変化は緩やかになる傾向があることも判明した。
なお、14年第2四半期のDIは19となり、上昇したビルが下落したビルよりやや多かった。13年第1四半期にマイナスを脱して以降増加傾向にあり、現在は成約賃料の上昇トレンドがゆっくりと強まりつつある状況にあると考えられる。