(株)学研ココファンホールディングスはこのほど、高齢者向け住宅の企画開発・設計・コンサルティングを手掛けるシスケアグループ((株)エス・ピー・エー、(株)シスケア)と資本業務提携。両社の全株式を取得して、傘下に収めた。
シスケアグループは、1990年創業。高齢者施設・住宅の設計を累計128棟、サービス付き高齢者向け住宅の建築・運営ブランド「和楽久(わらく)」を全国36棟コンサルティング。木造2階建て、延床面積1,000平方メートル以下で事業費を抑え、入居者負担も軽くするビジネスモデルを特徴とする。
一方、学研ココファンHDは、高齢者住宅・施設を東日本エリア中心に展開。M&Aや海外展開の本格化等で、2020年度の高齢者住宅事業の売上高300億円を目指しているが、現在の開発スピードでは実現が難しいことから、開発スピードの加速、多様なビジネスモデルの開発、高齢者住宅普及のためのコストダウンを狙い、シスケアグループを傘下に収めることとしたもの。
同グループも、学研ココファンを主要なオペレーターとすることで、これまで開発機会を逃していた案件の事業化や、新たなブランドモデルの開発を急ぐ。グループ代表取締役は、これまで通り太田裕之氏が務める。
8日会見した学研ココファンHDの小早川 仁社長は「シスケアグループとは、企業理念や商品・サービスのコンセプトに、相通じるものがあり、資本業務提携することで、大きなインパクトを発信することができる。当社の開発スピードは、間違いなく加速する。今後は、西日本への展開、シンガポール・マレーシアなど海外展開、M&Aなどで、さらに質の高い住宅を全国・世界へと広めたい」と抱負を語った。
また、シスケアグループの太田裕之社長は「企画した住宅モデルの検証・展開力、資本力、実績・ノウハウなど、高齢者住宅の普及を進める上で当社に欠けているものが、学研ココファンにはあった。今回の提携により、高齢者住宅・施設のクオリティ向上、普及率の向上が実現できる」と語った。
学研ココファンは、シスケアのリソースを活用することで、高齢者住宅開発数が年間10~15施設上積みできるとし、さらにM&Aや海外展開も併行することで、20年度には高齢者住宅を250~300拠点、戸数換算で1万5,000戸に引き上げる方針。