不動産ニュース / 団体・グループ

2014/12/9

米国不動産流通視察で報告。日本版MLSの構築や書式の統一など提言/RETIO

 (一財)不動産適正取引推進機構(RETIO)は5日、「第七回不動産再生研究会」(10月17日実施)の議事概要を公表した。

 同研究会は、喫緊の課題となっている不動産の再生をテーマに、有識者からのヒアリングを通じて、不動産再生を妨げる諸問題およびその改善策等について検討し、広く発信するのを目的に14年1月に設置。月約1回のペースで開催している。

 今回は、三井不動産リアルティ(株)企画部長・黒川伸吾氏が、不動産流通会社5社が参加し、ロサンゼルスとボストンで行なった「米国不動産流通調査」をもとに、アメリカにおける不動産取引全般の流れや参入プレイヤーの違い、組織や取り引きの仕組み、中古住宅流通規模の違い等について説明した。

 同氏は、アメリカの不動産流通取引を支える、売買の履歴や、物件の細部に渡る情報などが網羅的に掲載される情報共有システムMLS(Multiple Listing Service)を、非常に優れた仕組みとして紹介。全米の不動産の履歴情報サービスと連携し、MLSに掲載されている情報は、会員であれば自社のホームページに自由に掲載できる点など、日本との違いを比較しながら説明した。

 また、アメリカの住宅の流通規模は年間約500万戸と、日本の約5倍であることを説明。その理由として、人口増加に対する不動産ストックの増加が追い付いていないことや、ローンを組んだ際の税制優遇措置などから、大局的に不動産価格が上昇トレンドにあることを挙げた。

 また今後、日本で流通活性化や不動動産再生寄与を目的に、早期に取り組み可能なこととして、(1)宅地建物取引主任者の成長、(2)日本版MLSの構築、(3)マンションの管理組合による情報の開示、(4)不動産流通業界4 団体の契約書の書式の統一、(5)取引におけるデューデリジェンスの導入、の5つを挙げた。なお、(2)に関しては、宅建事業者が自らの責任において、きちんと調査した物件情報を掲載することが必要とした。契約書書式の統一については、「売買対象物」と「瑕疵担保責任」の2点が特に重要だと指摘した。

 議事録詳細は、同機構ホームページ参照。

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