



(株)リビタは、東京都千代田区内神田のオフィス街に、シェア型賃貸住宅を含む複合施設「the c」を竣工。13日、報道陣に公開した。
同ビルは、1962年築、鉄骨鉄筋コンクリート造地上9階地下2階建て。延床面積3411.48平方メートル。都営新宿線「小川町」駅徒歩4分、JR「神田」駅徒歩7分とアクセスの良い立地に加え、12年には耐震補強工事を実施し安全性が確保されていたものの、築年数の経過等からオフィス需要は減退していた。そこで事業主であるヒューリック(株)は同ビルの有効活用を検討し、リビタに企画・プロデュース・統括設計監理・運営管理を依頼した。
リビタは、建築基準法上“事務所”用途を一部“寄宿舎”へ用途変更し、シェアアパートメント(シェア型賃貸住宅)・シェアオフィス・シェアスペースの3つの機能が融合するシェア型複合施設へと再生。オフィス需要が減少したエリアでの“住まい”需要の創出、二拠点居住などの多様な居住形態への対応等を目指す。同事業の企画を担当した同社事業統括本部一棟分譲事業プロジェクト推進第2グループシニアコンサルタント・井上聡子氏は「これまでの事業経験や東京の中心地という立地を生かし、東京と地域の結節点となる場にしていきたい」と話す。
地下1階が「C lounge(シーラウンジ)」で、入居者以外も利用できる開放されたシェアスペース。趣味を楽しむ大人をターゲットに、料理教室、DIY、ギャラリー、音楽イベント、ヨガ教室、セミナーなど、多目的に活用できる空間を用意。防音使用のスタジオ2室、壁面のピクチャーレールを使った展示や会議に適したスタジオ2室のほか、シェアキッチンも設置。
2階がシェアオフィスで、固定アドレス10席(ブースタイプ)とフリーアドレス30席を用意。今後は時間貸しも予定している。
3~8階がシェア型賃貸住宅(全54室)の個室フロア。バルコニー設置が難しいオフィス仕様を、インナーバルコニーを設置することで寄宿舎要件である避難経路や採光等の条件を満たした。また、耐震補強ブレースが各所にあるため、居室レイアウトを工夫している。2人入居が可能な広めの個室も6室用意した。
9階には入居者限定のシェアラウンジを設置。大型キッチン、シアタールーム、ライブラリースペースを設置。一部空間はシェアオフィスユーザーも利用できるようにすることで、住・職の利用者同士のコミュニケーションを促進する。
なお、物件名には「central(セントラル)」「conversion(コンバージョン)」「communication(コミュニケーション)」といったさまざまな「c」の意味が含まれている。
年始から住居部分のみリーシングを開始し、現在、30~40歳代の男性を中心に9件の申し込みがある状況。賃料は9万6,000~12万円(12.76~26.31平方メートル、別途共益費等有り)。
なお、オフィスは2月中旬頃募集開始予定。シェアスペースの募集時期は未定だが、すでに利用団体が複数決まっている。「口コミ等で徐々に認知度が広がり、良質な入居者に長く住んでもらいたい」(井上氏)。
運営上では、空間・コンテンツのディレクター等、外部の専門家にサポートを依頼し、ラウンジにて各種イベント開催を計画している。