不動産ニュース / 開発・分譲

2015/2/19

日本橋小綱町で中小ビル再生第3弾。プラン選択も導入/三菱地所レジデンス

大型のキッチンを設けたプラン
大型のキッチンを設けたプラン
日当たりの良さを生かし、サンルームを設けたプラン
日当たりの良さを生かし、サンルームを設けたプラン
ビル外観は1階ファサードやエントランス、エレベータホール以外はほぼそのまま
ビル外観は1階ファサードやエントランス、エレベータホール以外はほぼそのまま

 三菱地所レジデンス(株)は、中小ビルをコンバージョンで再生する「Reビル事業」第3弾となる「ザ・パークレックス小綱町ビル」(東京都中央区)の主要工事を完成。19日、報道陣に公開した。

 同事業は、築年数の経過等で競争力が低下した中小オフィスビルを、同社が定期借家契約でマスターリース。同社負担で、耐震補強工事を含むリノベーションを行ない、賃貸住宅等として供給するもの。借上期間終了後は、オーナーに返還する。同社グループでライフスタイル提案型の事業を専門的に手がける(株)メックecoライフが中心となって推進。リノベーション会社(株)オープン・エーがリノベーション設計を行なう。テナント募集も、同社代表の馬場正尊氏が立ち上げに関与した物件サイト「東京R不動産」に依頼するほか、三菱地所グループ各社と連携し、仲介・管理運営を行なっていく。借上期間は8年から10年を想定。その約半分の期間で投資コストを改修する。利回り20%以上が目標。

 「ザ・パークレックス小綱町ビル」は、東京メトロ「茅場町」駅徒歩4分に立地する、築42年、地上8階建て、延床面積約1,100平方メートルのオフィスビルをコンバージョンしたもの。“Workspace as Livingroom”をテーマに、リビングの快適性とオフィス空間との融合を試みた。専有部をスケルトン化した上で、空調、トイレ・洗面を改修。大型のキッチンを設けた「キッチンフロア」、フローリングを敷き詰めた「リビングフロア」、窓際にサンルームを設けた「サンルームフロア」を提案した。
 また2階は従前の大型金庫を残した通常のオフィス空間として仕上げ、上層部3フロアはテナントが各プランや自分たちの好みをセレクトして反映できるよう、スケルトン状態としている。1階はテナント利用を想定したスケルトン状態。その他、ビル足回りのファサードと、エレベータホールを改修している。

 募集賃料は、周辺エリアの新築相場を若干上回る、坪当たり1万2,000~1万3,000円。すでにIT企業、デザイナー、クリエイターなどから引き合いがある。

 同日会見した三菱地所レジデンス商品企画部商品開発室長の唐澤眞二氏は「グループのストックビジネス拡大、地所グループが開発を進める大丸有エリアとのシナジー、中小ビルの耐震化促進、そして新築マンション事業や再開発事業への足掛かりなど、さまざまな効果が期待できる。今後も日本橋・神田エリア中心に事業を進めていく」などと抱負を語った。

 また、オープン・エーの馬場氏は「新しいワーカー層は、オフィスと居住空間との境界があいまいになった空間を好む傾向にある。快適な空間は思考を活性化させる。Reビル事業は一つひとつのビルは小さいが、それだけに実験的な試みができる。今後もビルのエリアに合わせたコンセプトづくりをしていく」と語った。

 同社は、今後3年間で15棟、5年間で計30棟の事業展開を目指していく。

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