東京急行電鉄（株）は、低利用資産をバリューアップし、新たな価値を生み出す「まるサポ」事業の一環として、空室化した社員寮（川崎市宮前区、1988年築）を複合施設としてリニューアル。ソーシャルアパートメント「ネイバーズ宮前平」（総戸数84戸、寄宿舎）と認可保育園「クレアナーサリー宮前平」（定員60名）をオープンする。6日、報道陣に公開した。
「まるサポ」事業は、資産活用コンサルティング事業の一つで、老朽化等によって建物価値が低下した物件を中心に、老朽化対策やバリューアップに必要なリノベーション工事を実施し、当社が定期建物賃貸借契約により一定期間借り上げるなど、ハードとソフト両面からソリューション。資産価値と東急線沿線の付加価値を高めることを目的に展開している。宮前平は、代官山、渋谷桜丘、上池台に続く4プロジェクト目。
今回の対象である社員寮は、田園都市線「宮前平」駅徒歩7分に立地する鉄筋コンクリート造地上3階建て。昨年6月に入居者が退去してから空き家化していたことから、オーナーが同社に有効活用を相談。一定水準の賃寮収入と地域貢献の実現が希望だったこと、またバブル期に建ったゆとりあるレイアウトの物件だったことから、建物の一部（513.50平方メートル）を分割、保育園に用途変更し、ラグジュアリーな共用部利用や異業種交流ができることで人気の高い（株）グローバルエージェンツのシェア型賃貸住宅「ソーシャルアパートメント」と地域の待機児童数減に繋がる保育園の複合施設にすることに。東急電鉄が15年の定期借家契約で借り上げた上、グローバルエージェンツに転貸。同社が企画・リーシングを担当し、運営も行なう。
ソーシャルアパートメントは、延床面積2462.50平方メートル。既存の素材やレイアウトを極力生かしながら改修。元々共用部が広くとられていたことから、ラウンジやワーキングスペースのほか、壁一面の鏡を設置しダンスやヨガに使用できるマルチパーパススタジオ、足湯ができるスパスペース、ボイラー室の吸音材をそのまま生かしたサウンドルームを設けた。専有部は表面材と照明を変更し、シンプルに仕上げた。
専有面積は15平方メートル、間取りはワンルーム。賃料は5万1,000～7,000円（別途管理費等8,000円）。現在、半数程度申し込みが入っている状態。入居開始は3月8日。保育園の開園は4月1日で、運営会社は（株）アルファコーポレーション。
同社は、今後も「まるサポ」事業を年1～2棟ペースで手掛けていく方針。資産コンサルティング事業を積極展開することで、東急線沿線の空き家対策および子育て世代の流入による地域の活性化に取り組む。
