(株)帝国データバンクは14日、2015年度の業績見通しに関する企業の意識調査を発表した。全国の主要9業種・2万3,336社を対象に、有効回答1万845社を集めた。
15年度の業績見通しを「増収増益(見込み)」とする企業は28.0%。14年度実績見込みからは2.1ポイント減少するものの、「減収減益(見込み)」は減少、「前年度並み」は大幅に増加しており、総じて上向く傾向。なお、「増収増益(見込み)」企業の割合を業界別にみると、「金融」(36.1%)が最多となったほか、「サービス」(33.0%)や「運輸・倉庫」(30.5%)「小売」(28.8%)、「不動産」(28.2%)などが全体を上回った。他方、「農・林・水産」(18%)は前年度より10ポイント以上減少している。
ただし、従業員数別にみると、1,000人超の企業では7割近くが「増収」を見込んでいる一方、5人以下の企業では4割弱にとどまっている。「増収増益」も同様の傾向がみられ、企業業績において規模間格差の拡大が懸念される。
また、業績見通しの下振れ材料は「個人消費の一段の低迷」が37.8%でトップとなり、「原油・素材価格の動向」「人手不足」が続いた。特に、「人手不足」は前年度より9.7ポイント増加しており、業績への影響を懸念する企業が大幅に拡大している。他方、上振れ材料は「個人消費の回復」が43.2%でトップとなり、「公共事業の増加」「原油・素材価格の動向」が続いた
安倍政権の経済政策(アベノミクス)の成果に対する企業の評価は、100点満点中64.2点。しかし、アベノミクスの評価は企業規模によって分かれ、大企業優先という不満が中小企業や地方で高まっている様子がうかがえる。