不動産ニュース / 団体・グループ

2015/4/20

「ヘルスケア施設特化型リート」テーマに議論/RETIO

 (一財)不動産適正取引推進機構(RETIO)はこのほど、「第九回不動産再生研究会」を開催した。喫緊の課題となっている不動産の再生をテーマに、有識者からのヒアリングを通じて、不動産再生を妨げる諸問題およびその改善策等について、2014年1月から、月に1回、幅広く議論している。

 今回は、昨年11月に上場した初のヘルスケア施設特化型リートである日本ヘルスケア投資法人の運用会社、大和リアル・エステート・アセット・マネジメント(株)代表取締役社長の山内 章氏、同運用会社のアドバイザーであるAIPヘルスケアジャパン合同会社マネージング・ディレクターの安藤 滋氏を招き「ヘルスケアリートへの期待と課題」をテーマに、日本版ヘルスケアリートに向けた取り組みと必要性や、ヘルスケアリート上場後の効果と影響等について意見交換を行なった。

 同投資法人のポートフォリオは、有料老人ホーム14物件、取得簿価132億8,000万円でスタート。14物件は、日本全国に分散しており、それぞれの施設のテナントであるニチイ学館、ワタミといったオペレーター7 社が、その施設を運営している。多くの上場リートが東京に集中投資する中、地方投資ができる数少ないリートであることが大きな特徴。今後はサービス付き高齢者住宅や病院への投資も検討する予定。

 また、ヘルスケア施設運用会社であるオペレーターが一括借りするため、オペレーターの質が重要であり、現場運営のモニタリング、確認が極めて重要と指摘。ヘルスケア分野の成長性を見込み個人投資家の投資比率が高いこと、老人ホームへの入居を考える際に、リートに組み込まれていることがある種の信頼感を与えることもなり得るため、IPO(新規公開株)でも70歳以上が27%と高齢者の投資が多かったという特長もあった。

 ヘルスケアリート上場後の効果と影響としては、「(オペレーターのメリットとして」施設が安定的かつ継続的に長期保有されることであり、建物の適正な維持管理ができるということ」「同様のリートが2社ほどできる予定があり、いわゆる最終出口としてリートという保有主体が確立したことで、金融機関がこういった介護施設に関しての融資を検討しやすくなったこと」「リートの持っている物件は良いものであるという評価の向上」につながり、結果としては「良質な高齢者住宅の促進に役立つこと」といったメリットを挙げている。

 一方、不動産市場に与える影響については、国内の大手不動産、ディベロッパーが行なう一定の規模以上の開発プロジェクトでは、オフィスや住宅に加え、病院、高齢者施設、保育施設を設置することが最低限必要になり、今後は、大手ディベロッパーやハウスビルダー等を中心として、違った特色を持ったヘルスケアリートが現れてくる可能性を示唆した。

 なお、同機構ではホームページに議事概要を公開している。

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