(株)三菱地所は12日、2015年3月期決算を発表した。
当期(14年4月1日~15年3月31日)の連結営業収益は1兆1,102億5,900万円(前期比3.3%増)、営業利益は1,563億3,200万円(同3.1%減)、経常利益は1,331億1,300万円(同4.7%減)、当期純利益は733億3,800万円(同14.1%増)。ビル事業が、新規運営ビルの通期稼働効果や、物件売却収入により増収。一方、住宅事業で分譲マンションの売上計上戸数が減少したことや、一部資産の評価見直しを行なったことで減益となった。
主力のビル事業では、建物賃貸における営業収益が4,166億3,100万円、ビル運営管理受託では197億2,100万円を計上する等、すべての項目で増収。営業収益は5,876億6,000万円、営業利益は127億500万円と増収増益となった。特に丸の内エリアでのリーシングが順調に進捗。全国全用途の空室率は2.80%(前年同期:5.29%)、丸の内事務所は1.82%(同:4.32%)と、いずれも大幅に回復した。平均賃料も、全国全用途で1坪当たりの平均月額賃料は2万3,587円と、予想公表値(同:2万3,500円)を上回った。
住宅事業では、前年同期比で販売戸数が減少したため、減収となった。住宅管理業務受託事業では、丸紅コミュニティ(株)を連結したことで、受託件数が増加したものの、セグメントの営業収益は3,777億3,600万円、営業利益は116億500万円と減収減益となった。
海外事業では前年度にイギリスで保有する物件の売却に伴う収益を計上した反動等により、営業収益は777億9,400万円と減収したものの、営業利益は260億6,800万円と増益となった。
同日開催の決算説明会で同社取締役常務執行役員の大草 透氏は、「丸の内エリアの空室率が2%をきったのは5年ぶり。テナントも前向きな移転が多く、賃料の引き上げに応じてくれるケースが増えている」等と話した。
なお、今期の好調な業績等を踏まえ、利益剰余金の配当を決定。1株当たりの配当金は8円(前回予想比2円増)で、配当金の総額は110億9,900万円。
次期については物件売却収入の反動減等により、連結営業収益9,950億円、営業利益1,350億円、経常利益1,130億円、当期純利益700億円を見込んでいる。