不動産ニュース / その他

2015/5/27

上場3REITを合併、総資産9,000億円超・国内最大級の総合型REIT誕生/野村不動産HD

「賃貸バリューチェーン」の強化イメージ。運用REITとの相互成長を加速させる
「賃貸バリューチェーン」の強化イメージ。運用REITとの相互成長を加速させる

 野村不動産ホールディングス(株)は、同社が出資し、野村不動産投資顧問(株)が運用する「野村不動産オフィスファンド投資法人(NOF)」「野村不動産レジデンシャル投資法人(NRF)」「野村不動産マスターファンド投資法人(NMF)」の上場3REITが、27日付で合併契約を締結したと発表。合併により総資産9,000億円超の、国内最大級の総合型REIT「野村不動産マスターファンド投資法人」が誕生する。

 今後の持続的な成長と投資主価値の向上に資することを目的に、オフィス、住宅、物流・商業というそれぞれの「特化型」から、投資セクターを限定しない「総合型」へと投資戦略を転換した。戦略転換による持続的な成長の追求、「大型化」による安定性の強化と成長戦略の強化、REITとの相互成長の循環サイクル(賃貸バリューチェーン)の確立を推し進める。
 投資セクターの異なる特化型3REITの合併は国内初。各消滅投資法人の上場廃止日は9月28日、新投資法人成立日は10月1日、同上場日は同月2日の予定。合併に係る割当の内容は新投資法人「1」に対して、NOFが「3.60」、NRFが「4.45」、NMFが「1」。
 新投資法人の業績予想は2016年2月期が営業収益241億3,700万円、営業利益62億9,200万円、経常利益35億8,100万円、当期純利益35億8,000万円、1口当たり分配金(利益超過分配金を含む)2,100円。同年8月期は営業収益296億4,200万円、営業利益106億6,200万円、経常利益80億8,800万円、当期純利益80億8,700万円、1口当たり分配金(同)2,710円を見込む。

 なお同日付で、野村不動産グループ4社(野村不動産、野村不動産投資顧問、野村不動産パートナーズ、ジオ・アカマツ)は「賃貸バリューチェーン」に関する基本合意書を締結した。すでに総合型として運用中の私募REITである「野村不動産プライベート投資法人(NPR)」を含む運用REITを、重要な成長のパートナーとして位置づけ、スポンサーサポートを強化していく。

 オフィスビル「PMO」、賃貸住宅「PROUD FLAT」、商業施設「GEMS」、物流施設「Landport」といった各ブランドに代表される、野村不動産グループが開発する賃貸資産を新REITが取得することにより、「物件供給パイプライン」を一層強化。第1弾として新REITの合併の効力発生を条件に、「野村不動産吉祥寺ビル」(東京都武蔵野市)、「GEMS市ヶ谷」(東京都千代田区)など7物件(売却合計価格231億1,000万円)を新REITに組み入れる。今後2~3年をめどに総資産1兆円規模を目指す。

 また、さまざまな情報やノウハウを運用REITと共有する「マネジメントパイプライン」を強化し、テナントに対して高品質なサービスを提供。商品性と顧客満足を高め、ブランドの価値向上と差別化を推進する。ハード・ソフト両面の商品性やオペーレーションサービスの充実、資産規模拡大により可能となる差別化戦略の実行、築古または競争力低下物件についての建て替えを含めたバリューアップ手法の検討などを進める。

 同日会見した野村不動産投資顧問代表取締役社長の安部憲生氏は合併理由について「これまで、3REITとも安定的に運用してきたが、JREIT市場を概観すると、投資対象はホテルやヘルスケア施設など多様化してきた。国内最大級の総合型REITになることで、投資主利益の拡大や投資法人の安定的な成長につながると判断した」と語った。

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