三井ホーム(株)はこのほど、ツーバイフォー工法(枠組壁工法)では国内初となる4階建て住宅型有料老人ホーム「あっとほーむ鎌倉山」(神奈川県鎌倉市、総室数70室)を竣工。10日にマスコミ向け見学会を開催した。
敷地面積1,434.72平方メートル、延床面積2,384.02平方メートル、木造耐火構造地上4階建て。1階に独自の構造用金物「ロッドマン」を採用することで高い強度を確保した。
鉄筋コンクリート造と比較したメリットとして、基本構造には「ロッドマン」以外の特殊部材がほとんどなく、通常の住宅と同じ2×6を採用しているため、建設コストの削減や、工期の短縮を実現。また、断熱性と気密性の高さにより冷暖房のランニングコストを節約できるほか、木の持つ湿温調整機能による健康効果などが挙げられる。
デザインは、建設地の鎌倉のイメージを考慮し、和のテイストを採用。2~4階の住居フロアは、それぞれ「若葉」「桜」「紫陽花」をコンセプトにカラーなど統一感のあるデザインに。木のイメージを持てる仕上げを施し、耐火被覆を施していながら木質感が感じられる内装とした。
専有部は13.27~13.66平方メートル。居室の一部にコネクティングルームを設け、夫婦で申し込みをした場合に隣同士の部屋をつなげて入居できるように配慮。また、建物1階部分には食堂や浴室等の共有スペース以外に、近隣住民との交流やイベント利用が可能なスペースも用意した。
事業主は医療法人光陽会 鎌倉ヒロ病院で、月額利用料は14万9,900円より(居室利用料、管理費、食費、水光熱費含む)。
なお、同社は現在、同施設のような施設系建築「withwood(ウィズ・ウッド)」を成長事業と位置づけており、年間5~6棟のペースで受注。見学会で挨拶した同社大規模木造事業部長の松尾 隆氏は、東京・足立区で現在施工中の延床面積約1万平方メートルで国内最大級の5階建て施設の例を挙げ、「大規模な木造施設が増えてきている状況の中、医療・介護・福祉、学校関係で事業拡大を目指していく」などと述べた。