(一社)不動産流通経営協会(FRK)は24日、5月28日開催の総会・理事会を経て新理事長に就任した田中俊和氏(住友不動産販売(株)代表取締役社長)の就任記者会見を行なった。
同氏は、「いまだ新築信仰が強い中、既存住宅の魅力を伝えてマーケットの拡大に努めたい。手数料問題については、安心・安全な取引をするという基本的なことが後回しになっている。流通業の原点に戻り、消費者の視点に立って問題の解決を図り、信頼を勝ち得ていくという姿勢で、意見具申していく」などと抱負を述べた。
また、IT時代にふさわしい流通業のあり方の検討も抱負の一つに挙げ、「流通業にとって一番大切なのは、消費者とのコミュニケーション。どの部分をITが担い、どの部分を人が担うのか、そのバランスが重要」とし、「情報過多の現状においては、信頼できる情報の選択と、会員各社が消費者にとって信頼できる相談相手であることが必要」と話した。
「レインズ」の物件情報を、売り主に一定の条件のもと営業情報等を開示するステータス管理については、「来年1月の運用開始を目指し、システムとルールづくりを確実に進めていく」と言及。7月中にシステム改定をスタートさせ、会員各社に徹底するとし、「運用開始後は、実務的な問題が出てくるかもしれないが、一つひとつ解消しながらできるだけ早く軌道にのせ、囲い込み問題の解決に努めたい」とした。
また、契約書式等の標準化については現在、「FRK書式をベースに作成する方向で進めている」とした。そのほか、「宅建士としての『魂』を伝える研修を強化する。気持ちが消費者に向いていれば、囲い込みという発想にはつながらないはず」などと話し、従業員教育の徹底についても言及した。