(一社)HEAD研究会フロンティアTFは3日、「スモールコミュニティの限界と可能性」をテーマに、「SodaCCo STUDIO」(東京都渋谷区)でシンポジウムを開催した。
現在、ソーシャルメディアやネット検索サービスなどにより、ユーザーはそれぞれに居心地の良い環境にあるが、一方で「自分と異なる価値観と出会わない」という状況にも陥っている。同シンポジウムでは、同じ価値観でつながる「スモールコミュニティ」の限界と可能性について議論した。
同研究会フロンティアTF副委員長の山本郁也氏は、「閉じられたコミュニティは、批判的思考の欠如や、セレンディピティ(偶然)の喪失につながる」と発言。賃貸マンション「メゾン青樹」オーナーの青木 純氏は、「オンラインでつくられたコミュニティより、オフラインでつながった成功例のほうが達成感を感じる。いずれにしろ“質”を大事にしないといいコミュニティは築けない」と意見を述べた。
また、ゴミ拾いを通じ地域コミュニティづくりを行なっているNPO法人「グリーンバード」代表の横尾俊成氏は、「活動を始めて12年間で約3万人がゴミ拾いに参加している。その割合は全体の2割にしか満たないが、実は6割の人が『機会があったら参加したい』と思っていることが分かった。この6割にうまくアプローチすれば、異質な思考が混じり合った創造的なコミュニティ形成につながるのでは」などと話した。