(株)創建は25日、神社、仏閣などの伝統建築物に使われた技術「木組み工法」を進化させたプレカット工法を推進していくと発表、同日記者会見を開催した。
同社グループ会社で、伝統建築の技法を工場生産化した高品質な木造建築の低価格な提供を実現している(株)木の城たいせつ(北海道夕張郡、代表取締役:吉村孝文氏)が行なった、石山神社(北海道札幌市)建替事業の竣工を契機としたもの。
従来、神社などの建て替えや修繕は勧進により捻出していたが、現在は地域人口の減少等により、勧進が集まらないだけでなく、建築コストの高騰や宮大工職人不足も起因し、工期が長期化するなど建替事業に踏み切れないという場合も出てきている。
そこで創建グループでは、石山神社建替時に開発した職人の技術と機械の正確さを融合した独自工法を今後も積極的に展開していくこととした。同工法では伝統的木造軸組の継手や仕口(木材の結合部分)の加工を機械で可能とし、省コスト、短期短縮を実現している。
今後、同工法を採用した神社、仏閣の建て替えの受注推進に取り組んでいくとともに、一般個人住宅の施工や茶室、平屋の離れなどの特殊建築物の工事も積極的に受注していく方針。年間受注計画は、神社、仏閣が10棟、一般住宅が20棟、特殊建築物5件を見込む。
創建代表取締役会長の吉村孝文氏は、記者会見で「建築基準法では、金具を使わないと建築許可が下りないが、金具だとどうしても木の伸縮等によるゆるみなどが出てくる。本来は木と木の組み合わせがベスト。今後、この工法が日本の住宅に当たり前のように使われ、本当に良い建物を継げる社会となるよう技術の普及に努めていきたい」と抱負を述べた。