(公財)不動産流通推進センターは14日、第2回「不動産流通実務検定」(通称:スコア)のキックオフイベント(東京)を開催。約250人が参加した。
同検定は、不動産流通業界で必要な能力を客観的に評価するための検定制度。15年6月に第1回目を開催した。ネット環境のあるパソコン等で受検でき、100問を150分で解答する。1,000満点で、受検後にその点数と★5つを最高としたランク付けを即時表示している。科目は重要事項説明、取引の安全確保、価格査定など8項目。年2回の開催で、今年度第2回は11月15~18日に開催する。第1回を踏まえて内容をより実務に近いものにアップデートしたほか、開催期間を1日減らし、将来的に目指している一斉受検につなげていくとした。
9月2日より同検定の全国的な認知度を上げていくためのキックオフイベントを名古屋・福岡・大阪・仙台で順次開催。東京が最終日となった。
東京会場では、同センターが募集していた「特約・特記コンテスト」「間取り図コンテスト」の優秀者の表彰式を開催。特約・特記は、取引の安全確保の視点から普遍的で、啓発を伴う内容の特約文例を、ライフスタイル提案では、高齢者が所有する既存建物の有効活用を通したライフスタイルの提案を募集していた。
不動産業従事者を中心に各十数点の応募があり、特約・特記では、道路や地役権などについて6点、ライフスタイル提案では、カフェと教室を融合したプランや外国人留学生向けの下宿プランなど5点が選出された。審査員は、特約・特記が深沢法律事務所弁護士の高川法子氏、東急リバブル(株)経営管理本部総務・コンプライアンス部長の橋本明浩氏、スタイルオブ東京(株)代表の藤木賀子氏、ライフスタイル提案が前出・藤木氏のほか、アーキテン一級建築士事務所一級建築士の中谷龍海氏、(株)アートアベニュー代表取締役の藤澤雅義氏。
なお、特約・特記で選ばれた文例は、同センターの資格保有者向けサイト上に開設する「特約・特記ライブラリー」に収録される予定。
また、元国土交通省河川局長で、地形歴史研究家、東北大学客員教授の竹村 公太郎氏が、地形から見る都市発展の歴史について講演。その後、無料不動産相談会も開催した。
イベントで同センター教育事業部次長の真鍋茂彦氏は、「業務の多様化に伴い、さまざまな資格・研修制度が出てきているが、スコアを活用することで、自身のレベルを客観視できるほか、自身に必要な実務知識等を把握することができるため、有効な資格や研修を選択することが可能となる」と述べた。「第1回では、大手企業等を中心に人材採用の基準として導入していきたいといったご意見を多数いただき、業界のスタンダードな指標になりつつある」(真鍋氏)とした。