(公社)東京都不動産鑑定士協会は30日、設立20周年を記念した講演会およびパーティーを「東京プリンスホテル」(東京都港区)にて開催した。
講演会では、日本創成会議座長で、元総務大臣、前岩手県知事の増田寛也氏が、人口減少・少子高齢化等による暮らしへの影響について東京圏を中心に解説。同氏は「東京圏に若者が一極集中しているにもかかわらず、子育て環境が整っていないことから出生率が下がり、それが人口減少に拍車をかけている。また、今後高齢化も進んでいくが、それに対応する施設・人材も不足していることが課題」等と述べた。今後の対策として、高齢者が支え合い、活躍できる場の創出や婚活までを視野に入れた少子化対策が重要としたほか、労働力の確保、地方創生への取り組みも必要だとした。
パーティーは冒頭、同会会長の吉村真行氏が「設立から20周年を迎えた今、社会・経済環境の激変とともに不動産鑑定業界を取り巻く環境は大きく変わっている。不動産鑑定士は今こそ、専門家としての役割を自覚して、責任を果たしていかなければならない。(公社)日本不動産鑑定士協会連合会の『不動産鑑定業将来ビジョン』に示されている、社会ニーズに対応した評価・分析・助言のビジネスモデル実現を進めていく」と挨拶。東京鑑定協として、「『コアコンピタンス(競合他社を圧倒する能力)を持とう』『ビジネスパーソンたれ』をモットーに、専門分野の開拓と顧客に対するコンサルティング能力の向上を進め、今後の不動産鑑定業の道を切り開いていけるよう、会員をサポートしていきたい」(吉村氏)と述べた。
また今年2月に協定を結んだ(公社)東京都宅地建物取引業協会会長の瀬川信義氏らが壇上に上がり祝辞を述べた。
国土交通省や業界団体関係者など多数の来賓が集まり、盛会となった。