森ビル(株)は4日、東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査を発表した。
1986年より同年以降に竣工した事務所の延床面積1万平方メートル以上のオフィスビルを対象に、需給動向を調査しているもの。一般に公開されている情報を基に、2014年12月に実施した現地調査ならびに聞き取り調査によって供給量を算出。それをベースに15年8月時点の情報を追加した。
東京23区、特に都心3区の15年の空室率は、上期に大きな空室を抱えたオフィスビルの竣工もあり一時的に上昇したが、下期には、企業の業容・人員の拡大などを背景に、満室竣工する新規物件や、既存物件の空室解消進捗も期待されるため、年末には都心3区で3.8%、東京23区は4.3%に改善する見込みとなった。
東京23区の今後5年間の供給量は、平均119万平方メートル/年となり、過去平均(103万平方メートル/年)を上回るとした。18~19年については、前後の大規模プロジェクトの竣工時期見直しにより、前年予測より増加するとみられる。
都心3区における今後5年間の供給量は、平均85万平方メートル/年となり、過去10年間の平均(67万平方メートル/年)を上回り、供給割合は71%と、過去5年間(56%)と比べ増加する見込み。
需要動向では、東京23区の14年末の空室率は4.3%(前年末比1.9ポイント減)。15年上期の空室率は、吸収量(60万平方メートル)が供給量(75平方メートル)を下回り、4.6%(前年末比0.3ポイント増)。また、15年末の空室率は、通期で吸収量(105万平方メートル)と供給量(111万平方メートル)が同水準となり、4.3%(前年末比増減なし)と横ばいに推移する見込みとなっている。
都心3区の14年末の空室率は3.5%(前年末比2.4ポイント減)。15年上期の空室率は、吸収量(39万平方メートル)が供給量(54万平方メートル)を下回り、4.3%(前年末比0.8ポイント増)。15年末の空室率は、通期で吸収量(73万平方メートル)が供給量(79万平方メートル)を下回り、3.8%(前年末比0.3ポイント増)となる見込み。