不動産ニュース / ハウジング

2015/12/10

2×4工法で国内最大の5階建て建造物を建設/三井ホーム

「花畑あすか苑」外観完成イメージ。28.7m×81.2mの大規模木造建造物
「花畑あすか苑」外観完成イメージ。28.7m×81.2mの大規模木造建造物
個室ユニット組み立てによる施工法を採用
個室ユニット組み立てによる施工法を採用

 三井ホーム(株)はこのほど、2×4工法(枠組壁工法)では延床面積で国内最大級となる5階建て特別養護老人ホーム「花畑あすか苑」(東京都足立区、総居室160戸)を上棟。9日、報道陣に公開した。

 敷地面積4,551.39平方メートル、延床面積9,789.47平方メートル。2×4工法は2~5階となり、1階は周辺地盤の強度などを考慮し鉄筋コンクリート造とした。運営主体は、足立区・荒川区・台東区などで複数の特別養護老人ホーム、高齢者在宅サービスセンターなどを運営する社会福祉法人聖風会。三井ホームは施工のみ請け負う。竣工は2016年6月の予定。

 同プロジェクトは、平成26年度国土交通省木造建築技術先導事業に採択されており、高強度耐力壁ミッドプライウォールシステムや、強度を確保するための独自金物を用いたタイダウンシステム、大規模木造建築物に適した個室ユニット組み立てによる施工法を採用する。

 ミッドプライウォールシステムは、カナダで4層以上の中層木造建築物の地震時の横揺れに有効な新技術として開発された技術で、採用は日本国内初。
 構造用面材を両側からサンドウィッチ状に挟み込むため、一般的なツーバイフォー工法に比べ平行方向に作用するせん断強度を約80%向上させることができる。今回は、2~4階の内壁の6割にミッドプライウォールを使用することで耐力壁長を減らすことが可能となり、共用部分に高い耐震性を確保した開放的な空間を実現する。
 また同システムは、特別な材料、装置、スキルを必要とせず、2×4工法用の一般的な材料のみを使って組み立てられるのが特徴。現在は工場での手作業のため1日に約20枚程度だが、今後は作業工程の効率化で生産力の向上とコスト低減を図り、同社では、個室ユニット施工法による建築効率化と合わせ、今後の大規模木造建築に導入していきたい考え。

 なお、事業主である聖風会理事長の近藤常博氏は、大規模木造建築を選んだ理由に、「素足で歩いても感じる木質感の持つ温かみ」「適度な弾力を保持する木は転倒しても骨折などの大けがにつながりにくいこと」「湿温調整機能に優れた健康面での優位性」などを挙げている。

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