シービーアールイー(株)(CBRE)は20日、2015年第4四半期の全国13都市オフィス市場動向を発表した。
「グレードA」(オフィス集積度の高い地域で、基準階面積350坪以上〔東京は500坪以上〕、貸室総面積6,500坪以上、延床面積1万坪以上、築11年未満)、「グレードAマイナス」(東京のみ、基準階面積250坪以上、貸室総面積4,500坪以上、延床面積7,000坪以上、新耐震基準準拠)、「グレードB」(延床面積2,000坪以上、〔東京は基準階面積200坪以上、延床面積7,000坪未満〕)のカテゴリ別に、オフィスエリアにある賃貸オフィスビルを調査したもの。
東京グレードAの空室率は3.3%(前期比1.2ポイント低下)と、大幅に改善、7年ぶりに4%を割り込んだ。空室在庫を抱えていた新築ビルでまとまったスペースが消化されたことがその要因。「八重洲・日本橋」エリア、「虎ノ門・汐留」エリアで空室消化が一気に進んだ。一方「丸の内・大手町」エリアでは、空室を残して竣工したビルがあったため、空室率は3.2%(同3.0ポイント上昇)に上昇した。想定成約賃料は、グレードAで坪当たり3万4,450円(同1.8%増)。
東京23区のオールグレード空室率は、3.0%(同0.6ポイント低下)と、12期連続の低下。年末が近く、新年度までの移転実現に向けたスペース確保という季節的な要因が大きいほか、空室が徐々に少なくなってくる中、移転先を決めかねていた企業が移転先を決定するという事例の増加が背景にある。
グレードAマイナスは、空室率2.6%(同0.2ポイント低下)、想定成約賃料2万3,800円(同1.3%増)。
大阪グレードA空室率は4.5%(同0.1ポイント低下)で、13年第1四半期から11期連続で低下した。なお、これまで空室率の低下を牽引していたグレードAよりもグレードBで強い動きが目立ったことから、同社では、今後A・Bどちらのグレードでも空室率が低下していくと見込んでいる。想定成約賃料は2万100円(同0.5%増)。
名古屋グレードA空室率は、4.0%(同2.0ポイント上昇)となった。今期竣工の大型ビル2棟のうちの1棟で一部空室が発生したことが原因。しかし需要は堅調なことから、リースアップにはさほど時間がかからないと同社では分析している。想定成約賃料は2万3,250円(同8.9%増)と大幅に上昇した。
地方でも全般的に空室率が改善。特に福岡オールグレード空室率は2.5%(同0.7ポイント低下)と、調査開始以来最低値を更新した。