不動産ニュース / 調査・統計データ

2016/1/29

経営者の住宅市場景況感、完全復調には至らず/住団連調査

 (一社)住宅生産団体連合会は29日、2015年1月度の「経営者の住宅景況感調査」結果を発表した。四半期に1度、過去3ヵ月の実績と今後3ヵ月の見通しを前年同期と比較して結果を指数化しているもので、住団連および傘下団体の法人会員18社のトップにアンケートした。

 15年度第3四半期(15年10~12月)の受注実績は、総受注戸数マイナス3(前期:プラスマイナス0)、総受注金額プラスマイナス0(同プラス7)と後退し、総受注戸数がマイナスとなった。各社からのコメントでは、「穏やかな改善傾向」とポジティブな声もあったが、「前年比では増加傾向だが消費増税前には戻らない」など、完全復調とはいえない状況が読み取れた。

 戸建注文住宅の実績では、受注戸数プラス6(同マイナス13)・金額プラス10(同マイナス10)とプラスに回復。「展示場来場者数は回復傾向」「富裕層は堅調」等のポジティブなコメントに対して、「経済の先行き不透明感で商談長期化」「秋以降急激に減少」といったネガティブな見方も多く、手探り状態である様子がうかがえた。

 戸建分譲住宅の実績は受注戸数マイナス5(同プラス20)・金額プラス10(同プラス20)と減速。「不動産の購入者に動きはあるが、受注は伸ばせていない」「棟数・金額ともにマイナス」といった厳しい声が相次いだ。

 低層賃貸住宅の実績については、受注戸数マイナス8(同プラス17)・金額マイナス13(同プラス29)と5四半期ぶりのマイナス。前年同期が好調だったことによるマイナスという見方が強く、コメントでも「高単価の受注が増えた」「案件が増え活性化した」という前向きな声が目立った。

 リフォームの実績は、受注金額プラス13(同プラス20)とプラス傾向が継続。大型リフォーム引き合い増加など、前向きなコメントの中に「省エネ住宅ポイント終了で受注は伸びなかった」など厳しいコメントも散見された。

 今後3ヵ月(16年1~3月)の見通しについては、総受注戸数プラス43(同プラス37)・総受注金額プラス39(同プラス43)。「穏やかに改善傾向が続く」「内容の濃い商談が増えている」などといったコメントがある一方で、「復活の決め手に欠ける」といった慎重な声もある。各分野においても、政府による住宅取得支援や各社のテコ入れによる業績伸長という見方はあるものの、自然に市場が回復していくというコメントは少なく、全般的に期待感が込められたプラス指数であることは否めない。

 15年度の新設住宅着工戸数の予測は、回答した16社の平均で91万2,000戸。14年度よりも3万戸強増えるという予測になった。また、16年度については93万9,000戸。回答の中で最大値は100万戸、最小値は87万戸だった。

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