不動産ニュース / 政策・制度

2016/5/25

新たな土地政策目標に、「創造的活用」や「放棄宅地化の抑制」を設定/国交省

 国土交通省は24日、第28回国土審議会土地政策分科会企画部会(部会長:東京工業大学大学院社会理工学研究科教授・中井検裕氏)を開催した。

 前回部会で出された意見をもとに、とりまとめの骨子案を修正。「土地政策の新たな方向性2016~土地・不動産の活用と管理の再構築を目指して~(仮)」とし、当面の新たな目標として、土地・不動産の(1)最適活用、(2)創造的活用、(3)放棄宅地化の抑制を設定。(2)では、遊休不動産について、所有者による利用や市場での取引・収益にこだわらず、活用の選択肢を増やし、隠れた需要を顕在化するとした。(3)は、活用が難しいとされる土地であっても、将来に備えた継続的な管理が必要と示した。

 (1)と(2)を実現するため、「成長分野への円滑な土地・不動産の供給促進」「所有・利用意欲が低下した土地・不動産の流動性の向上の実施」、またそれらを下支えする「土地・不動産活用のための情報基盤の充実」を推進。(3)に対しては、「土地・不動産の新たな管理システムの構築」を進める。
 供給促進では、不動産取引時におけるインスペクションの活用の促進やその他流通環境の整備による既存住宅流通の活性化の促進などが重要とした。流動性の向上では、住宅としての活用や収益性にこだわらない多様な需要を喚起する提案や、空き家等を寄附する際の行政側の受付体制の構築などを推進すべきとした。また、情報基盤の充実は、オープンデータやクラウドファンディングの活用、鑑定評価の充実について触れた。

 委員からは「空き家管理は費用や管理者などのさまざまな問題があり、有効な対策が急務」「行政が管理する土地空間についてもある程度は地域に管理や活用を委ねてもいいのでは」「今後長期スパンで見たときに衰退する事業分野などを見据えた土地政策が必要」「経済成長だけでなく国民の生活の質向上を踏まえた書きぶりにすべき」といった意見が出された。

 今後、最終調整をし、6月21日の部会で最終とりまとめを発表する。

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