


野村不動産(株)は23日、「阿佐ヶ谷住宅」(総戸数350戸)の建て替え事業「プラウドシティ阿佐ヶ谷」(同575戸)が竣工。マスコミに公開した。
東京メトロ丸の内線「南阿佐ヶ谷」駅徒歩5分。従前は、2階建て連棟式のタウンハウス45棟と3~4階建ての中層団地7棟で構成された1958年竣工の団地。
同社は2003年に事業に参画。05年、権利者の全員の合意による建替決議が成立。09年に地区計画における再開発等促進区として計画決定され、事業を進めてきた。
建て替え後の建物は、公道を挟むA~Eの街区に、地上2~6の中低層マンションとテラスハウスを配置。街区全体容積率を111.4%と低く押さえることで、都心でありながらゆとりの空間を実現した。また緑豊かな植栽計画を実現。旧阿佐ヶ谷住宅の樹木も可能な限り移植した。
2室のゲストルーム、ライブラリーラウンジ、パーティなども開催できるキッチンスタジオなど、充実した共用施設も用意。さまざまな住棟のエントランス付近に配置し、どの街区の入居者でも、自宅のカギでいずれの共用施設も入室・利用できるようにした。
C街区(76戸)・E街区(24戸)は引き渡し済みで、まもなくA街区(175戸)・D街区(17戸)の引き渡しを開始。9月にB街区(283戸)の引き渡し、12月に提供公園の引き渡しの予定で、これらが完了すると事業終了となる。
価格は、80平方メートルタイプの住戸で8,000万~9000万円台が標準。問い合わせは約1万2,000件、累計のモデルルーム来場者数は約5,000件と、高い反響を得ており、現在半分弱まで販売が進んでいる。権利者住戸の還元率は、ほぼ100%だという。
同社住宅事業本部マンション建替推進部長の岩田 晋氏は、「広い敷地に豊かな緑と低層の住宅を配したこの物件の魅力は、実物を見ていただいた方が伝わると考えている。竣工後一年程度での完売を目指し、販売活動を進めていく」と説明した。
またマンション建て替え事業への取り組みについては、現在「今回の物件が、首都圏で5つ目の建て替え竣工物件となる。マンション建て替えの事業者募集は、おおむね年間10件程度だが、当社ではうち2~3件のペースで参加事業者として選定されるようになっている。非常に小さいマーケットだが、これからも積極的に取り組んでいく」(岩田氏)との方針を示した。