不動産賃貸業・管理業と飲食業を活用して活性化させることでの効果、成果などについて、実践者が語り合うセミナーが8日、川崎市高津区で開催された。
神奈川県川崎市で5棟66戸の賃貸住宅を所有・運用している越水隆裕オーナーは、さまざまな分野の専門家や事業者を招いてのセミナー兼異業種交流会「コシガタリ」を主催・開催している。この第8回目として「今不動産業界で飲食業が必要な理由(ワケ)」をテーマに選択。(有)東郊住宅社取締役の池田 峰氏、(株)南荘石井事務所代表取締役の石井秀和氏、シラハト商店代表取締役の関口桂司氏が登壇した。
池田氏は自社で運営している入居者専用食堂「トーコーキッチン」、石井氏は、所有物件の共用部に開設、まちに広く開放しているカフェ「新城テラス」、関口氏は所有物件の1階にオープンし自らオーナーとして経営している「シラハト商店」について、開設の経緯を説明。続いて「周りやまちへの影響は?」「今後の展開」などの共通質問についても意見交換を行なった。
池田氏は、「15年12月にトーコーキッチンをオープンしたが、今年の3月末入居率は98.5%と向上。トーコーキッチン利用を前提とする問い合わせも増えた」などと、その効果を説明。石井氏は、「単身者が多く、まちになかなか出てこない所有物件の入居者をまちに引き出すことを目的に、取り組みを始めた。その点についてはまだ取り組みの途上だが、まちの人がカフェやレンタルスペースに積極的に入ってきてくれるようにはなってきている」と述べた。
また関口氏は、「全入居者が、1階にオーナーのカフェがあることに価値を見出し入居してくれている。私は入居者を家族のように感じ、積極的にコミュニケーションをとっている。ここに来ていただければ私に何でも相談できるという安心感を持って生活してもらいたい」と思いを伝えた。