シービーアールイー(株)(CBRE)は19日、2016年第3四半期の全国13都市オフィス市場動向を発表した。
「グレードAオフィス」(オフィス集積度の高い地域で、基準階面積350坪以上〔東京は500坪以上〕、貸室総面積6,500坪以上、延床面積1万坪以上、築11年未満)、「グレードAマイナス」(東京のみ、基準階面積250坪以上、貸室総面積4,500坪以上、延床面積7,000坪以上、新耐震基準準拠)、「グレードB」(延床面積2,000坪以上、〔東京は基準階面積200坪以上、延床面積2,000~7,000坪未満〕)のカテゴリ別に、オフィスエリアにある賃貸オフィスビルを調査した。
東京グレードA空室率は2.7%(前期比0.8ポイント上昇)と6期ぶりに上昇した。竣工したあるグレードAビルがリーシング戦略から賃料水準を高く設定、空室を抱えた竣工したことが要因。同社リサーチエグゼクティブディレクターの大久保 寛氏は、「テナントが慎重な姿勢を見せていおり、この傾向はしばらく続くと考えられる」と述べた。グレードAの空室率は上昇する可能性があると指摘している。想定成約賃料は3万5,750円(同1.0%上昇)。
東京23区のオールグレード空室率は2.6%(同0.2ポイント上昇)と15期ぶりの上昇。大型ビルが空室を残して竣工したこと、夏期休暇を挟みテナントの動きがやや鈍くなったことなどが影響した。
グレードAマイナスの空室率は2.5%(同0.2ポイント上昇)、想定成約賃料は2万4,400円(同0.2%増)。
大阪グレードA空室率は4.5%(同横ばい)に。賃料が高額のビルについてはテナントが決まるまでやや時間がかかる傾向が見られた。想定成約賃料は2万200円(同0.2%増)。
名古屋グレードA空室率は3.3%(同0.3ポイント上昇)と、3期ぶりの上昇に。17年に名駅エリアで2棟の大型ビル竣工を控え、既存ビルへの大口テナントの動きは乏しい。想定成約賃料は2万3,550円(同0.4%減)。
全国のオールグレードビルの市況については、13都市中7都市で空室率が低下。札幌、京都、福岡で空室率は過去最低値を更新した。金沢は9.8%(同0.6ポイント低下)と、2003年調査以来初めて10%を割り込んだ。また、さいたまは1.6%(0.5ポイント減少)と、1999年以来17年ぶりに2%を割り込んだ。